砂糖不要でも自然な甘さで美味しい!シャトルシェフで失敗しない発酵あんこ
発酵あんこは、小豆と米こうじで作るあんこのこと。砂糖は使っていないのに、米こうじの力で十分甘く、後味もすっきり。酵素の働きで腸活にもつながる健康的なあんこなんです! そんな発酵あんこの作り方や、発酵あんこを使ったヘルシースイーツレシピを、発酵料理教室「えりの食卓」を主宰する石橋絵理さんに教えていただきました。
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石橋 絵理
(いしばし・えり)
「食で人生を豊かに」をテーマに、料理教室主宰やフードコーディネーター、レシピ開発など多岐にわたって活動。自身の料理教室「えりの食卓」では、手前味噌、本格キムチ、甘酒、発酵調味料などを作り、スタイリングや撮影も含めたトータルレッスンを展開している。
Instagram:@japanese.fermentedfoods
近年ますます健康志向が高まり、発酵食品人気も続いています。そんな中で、昨年から話題になっている「発酵あんこ」をご存じですか?
発酵あんこは、炊いた小豆に米こうじ を加えて発酵させて作るあんこのこと。あんこといいながら、砂糖は一切不使用。それでいて自然な甘さが感じられる、とってもヘルシーなあんこなんです!
普通のあんこは小豆と同量程度のお砂糖を使いますが、発酵あんこではお砂糖は一切使いません。しかも酵素たっぷりで体に優しい健康的なあんこなんですよ。
砂糖を使わないのに、どうして甘いのか不思議ですよね。その理由を石橋さんに聞いてみました。
それは、米こうじの酵素により、米のでんぷんが糖化されるから。小豆と一緒に発酵させて、どんどん糖化させることで、自然な甘みが生まれてくるんですよ。
米こうじの酵素による糖化作用のおかげで甘くなるんですね! 砂糖を使っていないからカロリーが控えめになり、しかも発酵の力で体の中からきれいになりそう、そんな魅力的なあんこがあったなんて!
とはいえ、「発酵」させるにあたり、温度や時間の管理が難しそうなイメージがありますよね。体にいいことはわかっていても、なかなか発酵食品を自宅で作るのは大変そう…。
米こうじの酵素の働きを活発にさせるために、温度の管理はしっかりしないといけませんね。それから、発酵させるため普通のあんこより作る時間はどうしても長くなります。でも、発酵あんこの作り方は実はそれほど難しくありませんよ! 今回は保温調理器のシャトルシェフを活用した、失敗しない発酵あんこの作り方を紹介しますね。
米こうじを戻す時間を除いて、発酵あんこの完成までは8~10時間を目安にしてください、と石橋さん。温度管理をするための食品用温度計と、発酵あんこを作るための時間を用意して、さぁみなさん、一緒に作ってみましょう!
- 乾燥米こうじ 200g
- 水(米こうじを戻す用) 250ml
- 小豆 200g
- 水(小豆を炊く用) 6カップ
発酵あんこの材料はこれだけ。すごくシンプルなんですよ。では、ちょっと時間はかかりますが、作り方を説明していきますね。
まずは、乾燥米こうじを戻すところから始めますよ。
【下準備1】米こうじはフードプロセッサーで、粒が3分の1くらいの大きさになるように砕く。
発酵させることで米こうじの粒が大きく膨らむので、最初に砕いておくとよりあんこらしい仕上がりになります。砕いても、米こうじの酵素の働きは変わりません。
【下準備2】250mlの水を温めて60℃の湯にする。シャトルシェフの調理鍋に砕いた米こうじと60℃の湯を入れて混ぜる。混ぜた後、平らにして、3時間ほど保温容器で保温する。
シャトルシェフの保温容器なら、2時間くらいは温度を保ってくれて、じっくり温めることができるんですよね。だから発酵料理を作るのにぴったり。米こうじを戻し終わったら、次は発酵あんこを作っていきますよ! あんこを炊くのにもシャトルシェフを使うので、戻した米こうじはボウルなどに移して冷蔵庫に入れてください。
【1】小豆を水で洗う。小豆と4カップの水をシャトルシェフの調理鍋に入れて中火にかける。沸とうしたら2~3分ゆで、ゆでこぼす。
【2】小豆を調理鍋に戻し、水2カップを入れフタをせず中火にかけ、沸とうしたら25分ゆでる。途中水が少なくなったら、小豆がヒタヒタになるくらいまで足す。フタをし、保温容器に入れて1時間保温する。
【3】小豆が指で簡単に潰れるくらいになったら炊き上がり。まだかたければ、調理鍋のフタをせず再び中火にかけ加熱する。このときも、途中で水が少なくなったら、小豆がヒタヒタになるくらいまで足す。
シャトルシェフは、小豆の状態を見ながら火にかけたり保温容器に入れたりできるのがいいですね。小豆が炊けたら、次は戻した米こうじと合わせて仕上げていきます!
【4】小豆はザルにあげ、ゆで汁は取っておく。 小豆は熱いうちに調理鍋に戻す。
【5】60℃くらいに冷ました小豆に戻した米こうじを入れて、混ぜる。必要があれば、ゆで汁でかたさを調整する。
70℃を超えると、米こうじの酵素が死滅してしまうので注意です。小豆をちゃんと60℃くらいに冷ましてから米こうじと混ぜ合わせてくださいね。ただ、冷めすぎると酵素の働きが弱くなるので、その場合は調理鍋を火にかけて温度を60℃くらいまで上げましょう。
【6】調理鍋にフタをして保温容器に入れ、2時間たったら取り出す。調理鍋のフタを取り、弱火にかけ、また60℃くらいになるまで温める。保温容器に再び戻し入れる。これを4~5回繰り返す。
フタをあけると、ほんのり甘い小豆のいい香りが!
これで発酵あんこのできあがりです!
確かに時間はかかりますが、シャトルシェフを使うことで、発酵中は火の心配をすることなく他の家事や自分時間に使えるので、思っているよりも手間がかかるということはありませんでした。
ほっこり甘い発酵あんこ。今回は石橋さんに、発酵あんこを使った簡単ヘルシースイーツとして「いちごのあんサンド」を教えていただきました。
小豆のすっきりした甘さといちごの甘酸っぱさはぴったり。合わせるクリームもあんこに合わせて甘さ控えめにしました。ダイエット中でも食べやすいスイーツです。
- 食パン(サンドイッチ用薄切り) 4枚
- いちご 4~10個(いちごの大きさによる)
- 発酵あんこ 100g
- 生クリーム(脂肪分47%) 100ml
- はちみつ 大さじ1/2
【下準備】いちごは洗い、ヘタを取る。
【1】生クリームをボウルに入れ、泡立て器で8分立てにし、はちみつを入れて混ぜる。
【2】食パンに発酵あんこを塗り、いちごを並べる。もう1枚の食パンに【1】のクリームを塗る。
【3】いちごのすき間にクリームをのせ、パンでサンドし、ラップできっちりと巻き、冷蔵庫で3時間くらい寝かせる。
ラップで巻いた後、いちごの向きに印をつけておくと、カットするときに断面をきれいに見せることができます。
【4】ラップの上からカットして、皿に盛り付ける。
真っ赤ないちごがかわいいフルーツサンドは、見た目にもとっても美味しそうですね! 発酵あんこなら砂糖を使ってない分、クリームと合わせても罪悪感なく食べられるのがうれしいです。
いちご以外に、バナナやさつまいもも合いますよ。いちじくもおすすめです。お好みのフルーツや具材で発酵あんサンドを楽しんでみてくださいね。
石橋さんは、発酵あんこをどのようにアレンジしているんですか? フルーツサンド以外の食べ方があれば教えてください!
トーストに発酵あんこをのせて、バターを落として食べるのが定番ですかね。発酵あんこのさっぱりとした甘さとバターのコクは相性抜群だと思います。
クリームとも合うので、バターとも間違いなく相性いいですよね!
私の発酵料理教室では、発酵あんこをお菓子の材料として使うこともあるんです。チーズケーキやパウンドケーキに入れると、しっとりとして、小豆の風味も加わりとっても美味しいです。お砂糖も控えることができますしね。
発酵あんこはお菓子の材料にもなるんですね! せっかく発酵あんこを作ったからには、いろんな食べ方をぜひ試してみたいものです。
できあがった発酵あんこは、冷蔵なら約5日、冷凍なら約1ヶ月保存できます。
冷蔵保存の場合、ゆっくりゆっくり発酵し続けるため、5日くらいで食べきれるのがベストです。それ以上保存しておくと風味が変わってしまうので、食べきれない分は冷凍保存しておきましょう。 解凍するときは、冷蔵庫で自然解凍、もしくは60度の湯で湯煎をしてください。
冷凍保存する場合は、ジッパー付きナイロンバッグに入れて平らにしておくと、必要な分を割って使えるので便利ですよ、と石橋さん。
どうしても作るのに時間がかかるので、一度にたくさん作って冷凍保存しておくのもアリですね!
あるいは、仕上がった発酵あんこに火入れをしておくと酵素の動きを止めることができ、冷蔵でも発酵が進まず保存が可能です。でも、せっかく米こうじを使った発酵食品なので、できれば生きた酵素を食べていただきたいですね。
今回、石橋さんが作ってくださった発酵あんこをいただき、砂糖がなくても十分甘みがあることに驚きました。そして、砂糖がないからこそ小豆本来の香ばしい風味も感じられ、新しい小豆の楽しみ方を知ったような気持ちになりました。
保温調理でじっくり発酵させながら仕上げる発酵あんこ。体に優しい新感覚のあんこを、皆さんもぜひ作ってみてください。
撮影:山下コウ太
編集:Nadia株式会社
糸井朱里
WEBやSNSのディレクター/ライターとして活動中。得意ジャンルはグルメ、子育て、女性のライフスタイル全般。
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