季節の果物で自家製フルーツビネガーを楽しもう

季節の変わり目で「体がだるい」「疲れやすい」といった症状が出ている人も多いのではないでしょうか。そんな時は気分転換に、季節の果物で「フルーツビネガー」を手作りしてみるのはいかがでしょう。上手に作るコツやおすすめのフルーツ、アレンジ方法などを料理家の楠みどりさんに教わります!

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楠みどり

楠みどり

くすのき・みどり

野菜ソムリエプロ、フードコーディネーター、幼児食インストラクター。レシピ開発やコラム執筆、フードスタイリングなどを中心に、ほっと和む家庭料理や、子どもと一緒に楽しめるおやつを提案。近年は親子料理教室や食育活動にも力を注いでいる。
Instagram:@kusunokimidori

疲労回復ほか、美容にも良いとされるお酢。そのままでは酸味が強すぎて飲みにくいですが、お酢と一緒にフルーツを漬け込むことで、甘くて爽やかな飲み心地になります。楠さんも普段から、自家製のフルーツビネガーを楽しんでいるそうですね。

楠みどりさん
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そうなんです。我が家ではりんごを使ったフルーツビネガーをよく作ります。必要な材料はフルーツ、お酢、砂糖だけ。容器に入れたら、あとは冷蔵庫で寝かせておくだけ。簡単に作れますよ!

季節ごとに旬の果物がいろいろ出回りますが、フル―ツビネガーにするならどんなフルーツがいいでしょうか?

楠みどりさん
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春夏ならいちごやキウイ、秋冬ならぶどうや柚子などもおすすめです。桃や梨など、水分が多いフルーツは漬け込んでいる間にやわらかくなりすぎてしまうので注意が必要ですね。「かたい果肉の桃を食べ切りたい」という時にはいいかもしれません。レモンやオレンジといったシトラス系は通年で手に入りやすいので、季節を問わず楽しめます。疲労回復効果があるクエン酸もたっぷり入っていて、お酢との相性も良いですよ。

なるほど…。おすそ分けでフルーツをたくさんいただいた時など、保存食としてフルーツビネガーを作っておくのもいいですね!
砂糖やお酢はどんなものを選ぶのがいいでしょうか?

楠みどりさん
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砂糖はゆっくりと溶ける氷砂糖がおすすめです。浸透圧によってフルーツのエキスがしっかりと抽出されます。一般的な白砂糖でも作れますが氷砂糖に比べて溶けにくいので、お箸やマドラーでかき混ぜて溶かすようにしてください。お酢は米酢やりんご酢でも作れますが、私は穀物酢を使うことが多いですね。クセがないのでフルーツの風味が活かせます。

今回教えていただくのは、オレンジとレモンを使ったシトラスフルーツビネガー。手に入りやすいので、思い立った時にすぐに作れます!

  • オレンジ 1個 (皮をむき、8㎜程度の輪切りに)
  • レモン 1個 (皮をむき、8㎜程度の輪切りに)
  • 氷砂糖 200g
  • 穀物酢 200ml
  • ミント 適量(お好みで水割りやソーダ割りに使用)

・保存容器は食品用アルコールスプレーで消毒しておく。
・オレンジ、レモンはそれぞれ皮を厚めにむき、8mm幅程度の輪切りにする。

▲消毒には食品にも使えるアルコールスプレーを使用します。
楠みどりさん
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フルーツビネガーを長持ちさせるために、プラスチック製の保存容器を消毒してから使用します。食品にも使えるアルコールスプレーを直接吹き付けてから、キッチンペーパーなどでしっかりと拭き取ってください。フタの消毒も忘れずに!

楠みどりさん
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国産のオレンジ、レモンはなかなか手に入りにくいため、今回は外国産を使用します。防カビ剤や農薬などが残っている場合があるため、皮を厚めにむきましょう。オレンジとレモンを合わせて正味150~200g程度です。

【1】保存容器にオレンジとレモンを入れ、氷砂糖をのせ、穀物酢を注ぐ。冷蔵庫で保存し、3日~1週間漬ける。

▲今回の分量はMyフードコンテナ―丸型700mlにぴったり入るサイズです。※完成した分量は容器の8分目になります
楠みどりさん
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フルーツ・砂糖・お酢の分量バランスは1対1対1。フルーツと砂糖を交互に入れ、最後にお酢を注ぎ入れます。

楠みどりさん
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お酢を静かに注いだら、フタをして冷蔵庫で保存しましょう。氷砂糖が溶けたら飲み頃です。

漬け込んでから3日経つと、こんな風に変わります! 上にあった氷砂糖が溶け、オレンジやレモンが上にあがってきているのがわかります。

▲左は作ったばかりのもの、右は楠さんに3日前に作っていただいたもの。
楠みどりさん
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飲み頃になったら、グラスにシトラスビネガー適量(大さじ2~3程度)氷、お好みでミントを入れ、水または炭酸水を注いで楽しみましょう!

▲シトラスビネガー1に対し、水(炭酸水)5が目安。お好みの濃さに調整しましょう。

オレンジやレモンの鮮やかな色味が印象的。甘く爽やかな香りとスッキリした後味が楽しめるので、朝の目覚めの一杯や、疲れた時のリフレッシュにも良さそうです!

楠みどりさん
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フルーツ1種類で作るのはもちろん、いくつかのフルーツを組み合わせるのも楽しいです! いろいろ作ってみた中でもおすすめなのは、パイナップルとキウイ。甘くトロピカルな風味になり、お子さんでも飲みやすい味になります。

フルーツビネガーは水や炭酸水で割るのが定番です。でも実はヨーグルトなど乳製品とも相性が良いのだとか。楠さんイチオシは、フルーツビネガーの「牛乳割り」。

▲ラッシー感覚で飲めるので、カレーのお供にも!
楠みどりさん
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牛乳に含まれるたんぱく質がフルーツビネガーの酸に反応して固まり、混ぜるととろみがつきます。ラッシーのような味わいが楽しめますよ。漬けたフルーツを刻んで入れると、彩りのアクセントにもなります。

ちなみに、漬けていたフルーツは食べられるのでしょうか? フルーツを取り出した方がいいのか、そのまま漬けておいていいのかも気になります…。

楠みどりさん
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使うフルーツによって変わります。変色しやすいりんごや果肉がやわらかいキウイなどは最初に漬けた時と状態が変わるので、1週間程度で取り出して食べるといいですね。フルーツによっては漬けている間に白っぽいアクのようなものが浮いてくることがあるので、フタを開けて取り除いてください。今回のオレンジやレモンなどのシトラス系は変化がほとんどないので漬け込んだままでも大丈夫。美味しく食べられます。

▲漬けてから冷蔵保存で1か月を目途に食べ切りましょう。

爽やかで美味しいフルーツビネガー。手軽に作れるので、お好きなフルーツで試してみてはいかがでしょうか。疲れた1日をスッキリと癒してくれるかもしれません。

撮影:山下コウ太
編集:Nadia
執筆:田窪 綾
調理師免許を持つフリーライター。惣菜店やレストランで8年ほど勤務経験あり。食分野を中心に、Webや雑誌で取材やインタビュー記事作成などを行っている。

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