「泡なし」がポイント! 真空断熱タンブラーでおいしいビールを飲もう
多くのお酒好きに愛されている「ビール」。おいしさを追求した結果、真空断熱タンブラーがマスト! というこだわりの宅飲み派もいるのでは。今回は、ビアアーティストの福島 茶坊主 寿巳さんに、最高の一杯を味わえる「泡なしビール」の注ぎ方を伝授してもらいます。
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折しものコロナ禍により、外食の機会が減っているのは残念なものの、仕事終わりや休日の好きなタイミングに自宅で堪能するビールもまた幸せ。いつもの銘柄でいつもの味が落ち着く! というビール好きもいるのでは。しかし、ビールは注ぎ方ひとつで格段においしくなることをご存知でしょうか? ビアアーティストの福島 茶坊主 寿巳さんに、家庭で最もおいしいビールが味わえる注ぎ方をレクチャーしていただきました!
「まず、買ってきたばかりのビールをその日のうちに開栓してはいけません。スーパーやコンビニで売られているビールは、大型冷蔵庫の振動を受けているため、炭酸が不安定な状態になっています。持ち運びの際の振動もまた同様で、ビールを最もおいしい状態で味わうためには、炭酸を落ち着かせる必要があります。最低でも8時間、できれば自宅で一晩おいてから開栓するのが理想です」(以下、福島さん)
福島さんによると、ビールは“炭酸ガスが液体に溶け込んだ状態”がベストコンディション。
しかし、炭酸が安定しないうちに開栓してしまうと、炭酸ガスの大半が抜けてしまいます。
つまり瓶ビールでも缶ビールでも、今日飲むビールは昨日のうちに、明日飲むビールは今日のうちに購入しておくのがベストなのだそう。
「ビールを自宅の冷蔵庫で保管する際は、開け閉めするたびに揺れるドアポケットを避け、3℃程度のできるだけ温度の低い奥の方に置いてください。なお、野菜室は6℃前後と少し温度が高いので、ビールの保存には案外不向きです。あ、ちなみに私は冷蔵庫に入れる前に缶や瓶を水洗いします。意外に汚れや埃がついているんですよね」
日頃、居酒屋などでは出されるままに味わってきたビールですが、実は非常に繊細な飲みもの。こうした些細な点に気を配るだけで、宅飲みビールはもっともっとおいしくなります。
「一般的に、ビールは泡を立てて飲むのが皆さんお好きですよね。泡の割合の黄金比は3:7とよく言われますが、私は推奨しません。泡をできるだけ立てず、炭酸が液体の中に溶け込んだまま味わわなければ、せっかくのコクや旨味が半減してしまいますからね」
最近ではクラフトビールが浸透し、IPAやスタウト、ヴァイツェンなど、さまざまなスタイルのビールが楽しめるようになりました。しかし、その個性を100%味わうためには、ビールのコンディションをしっかり整えることが大切だと福島さんは言います。
そして、最も重要なのが「注ぎ方」。ただ開栓してドボドボとグラスに注ぐのでは、泡が立ちすぎて炭酸はどんどん抜け出してしまいます。また、温度変化を抑えて旨味を保つためには、グラスよりも真空断熱タンブラーを使うのがおすすめです。
それらを踏まえ、最もおいしくビールが味わえる、茶坊主注ぎをレクチャーしていただきましょう。
【1】ビールを注ぐ直前にグラスやタンブラーを洗う。
【2】ビール本体と縁まわりを、ティッシュペーパーなどで拭う。
【3】プルタブを少し持ち上げ、プシュッと音がしたらそのまま10秒待って開栓する。
【4】最初の30mlは、別のグラスに注ぐ。
【5】注ぎ口を内側につけた状態で、ゆっくりとビールを注ぐ。
【5】表面に対流が見えたら、おいしいサイン!
注ぎ足しは泡の元になるため、ビールは缶の中に残さず、全量注ぎきってしまうこと。上手に注ぐと、注ぎ終えたときの液面に、ご覧のようなうず状の対流が起こります。炭酸は液体の中に閉じ込められたままで、泡はほとんど発生していません。
友清 哲
ともきよ・さとし
フリーライター。インタビューやルポルタージュを中心に著述を展開中。主な著書に『日本クラフトビール紀行』(イースト・プレス)、『この場所だけが知っている 消えた日本史の』(光文社知恵の森文庫)、『一度は行きたい「戦争遺跡」』(PHP文庫)ほか。
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