甘酒でおいしく、からだを整える! 夏の不調に合わせた「甘酒アレンジ3種」
たくさんの健康・美容効果が期待できて、飲む点滴と言われる「甘酒」。そのまま飲んでもおいしいけれど、「冷え」「のぼせ」「食欲不振」など夏の不調を改善したい人は、簡単なアレンジ甘酒がオススメ! 健やか料理研究家・植木もも子さんに、甘酒の魅力とおいしいレシピを教えていただきます。
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植木もも子
うえき・ももこ
料理研究家、管理栄養士、国際中医師、国際中医薬膳管理師。雑誌や書籍、テレビ、広告などにレシピを提供。薬膳と栄養学の両方をとり入れた季節の料理教室も主宰。著書に『朝10分で作れる薬膳スープジャー弁当』(東京家の光協会)など。
甘酒は「米麹を発酵させた甘酒」と「酒粕をお湯で溶き、甘みを加えた甘酒」の2種類があります。どちらも発酵の力を利用して作られており、その作り方は昔から大きく変わることなく受け継がれています。まずは、それぞれの特徴から知っていきましょう。
米麹にお湯を加え、温度60℃前後を保って加熱し続けて作る。米のデンプンが分解されブドウ糖やオリゴ糖に変化して、自然な甘味ですっきりとした味わいが特徴。アルコールが含まれていないので、お子さまや妊娠・授乳中の女性も安心して飲むことができる。
日本酒を作る際の副産物である酒粕を水で溶き、お好みで甘味をつけて作る。米麹の甘酒に比べて、酒粕特有のコクや香りが広がるのが特徴。市販の甘酒に含まれているアルコール分は1%未満だが、自宅で作るときは使用する酒粕のアルコール度数を確認すると安心。
「米麹と酒粕の甘酒に優劣はありません。味わいの好みやアルコールの有無などを考慮して選びましょう。季節や自分の体質に合わせた甘酒を選ぶのもオススメです」(植木さん)
甘酒に含まれる代表的な栄養素は、エネルギー源となる「ブドウ糖」。疲労回復に効果的な「必須アミノ酸」。健康美に欠かせない「ビタミンB群」などが挙げられます。最近では、加熱処理を行わずに生の酵素が豊富な「生甘酒」を販売している蔵元もあります。
食欲が落ち気味の夏は、胃で吸収しやすい飲みもので上手に栄養を補うのが賢い選択。なかでも甘酒は、発汗で失われてしまう水分や、暑さでいつも以上に消費されているエネルギーの補給源として、夏にぴったりの飲みものです。
それでは、さっそくおいしく体調を整える簡単アレンジ3種を教えていただきます。
- 甘酒 100ml
- トマト 100g(中1個)
※完熟した酸味のあるトマトがオススメ - 生姜 3〜5g
※できれば、皮付き。なければチューブでも
ミルサーにカットしたトマト、スライスした皮付きの生姜、甘酒を加えてよく混ざったら完成! 出来たてはふわっとスムージーのような喉越しに。10分ほど待つと空気が抜けるのでお好みで。
※ミルサーがない場合、トマトは包丁でみじん切りにしたり、マッシャーを使ってもOK
- 甘酒 150ml
- にんじん 100g(小1本弱)
- 生姜 3〜5g
擦りおろしたにんじんを耐熱容器に移して、ラップをかけて600wのレンジで1分20秒温める。レンジから取り出して、生姜の絞り汁と甘酒を混ぜ合わせたら完成!
- 甘酒 150ml
- ミントの葉 20〜30枚程度
- レモン汁 大さじ1
みじん切りにしたミントの葉に、甘酒とレモン汁を加えて、よく混ぜ合わせたら完成! ミントの葉は空気に触れると酸化して黒ずんでしまうので、手早く刻む。
※ミントの葉の代わりに、擦りおろしたセロリ、ニガウリなどでアレンジしても◎
「糖の代謝を促すためには、ビタミンB1、B2とカルシウムが必要です。ビタミンB1、B2は微量ながらもともと甘酒に含まれているので、カルシウムが豊富なチーズやじゃこ、干しエビ、海藻類なども意識的に取り入れましょう。胃腸が弱い人は、常温以上でいただくなども心掛けてくださいね」(植木さん)
夏にしっかりとからだをケアしておけば、秋冬の体調も良好になっていくそう。植木さんは以下のようなちょっとした心掛けを大切にしているそうです。
・冷たい食事の際は、温かい飲みものを添える
・運動や入浴でしっかりと汗をかき、からだの巡りを良くする
・睡眠をしっかりとる
からだの不調を感じたら、まずはバランスの良い食事を心がけ、生活習慣を整えましょう。その上で、甘酒で足りない栄養を上手に補いながら元気に夏を乗り切りましょう。
撮影:栃久保誠
編集:ノオト
ライター:関あやか
せき・あやか
有限会社ノオト所属の編集者、ライター。ヨガウエアやオーガニックコスメの販売経験から、好きな分野は料理、美容、健康、ライフスタイルなど、毎日の暮らしにまつわるなにげないこと。
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