少ない油でも美味しくヘルシーに!フライパンで作る低脂質+高たんぱくレシピ
少ない油でも美味しくてヘルシー! そんな料理が作れたら、ダイエットやボディメイク中でも楽しく過ごせそうですよね。栄養士や豆腐マイスターの資格を持ち、ヘルシーでも見映えが良く、満足感の高いレシピを数多く発信する料理研究家・藤本マキさんに、フライパンで手軽に作れる低脂質レシピを教えていただきました。
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藤本マキ
(ふじもと・まき)
シンガポールで料理教室の講師を経験し、帰国後はレシピ開発やコラム執筆などを手掛ける料理研究家として活動を開始。栄養士や豆腐マイスターの資格を活かし、ダイエットや健康に気遣う方たちに向けて、低糖質・低脂質でもしっかり満足できるヘルシーレシピを中心に発信している。
「ダイエットや健康面を意識すると、炭水化物を減らす『糖質オフ』に目を向けがちですが、実はカロリーを抑えるうえで大切なのは『脂質』なんです」。そう話すのは、料理研究家の藤本マキさん。遺伝性の高脂血症の夫のために取り組み始めたヘルシー料理を中心に発信し、見た目も味も満足できる「低糖質・低脂質・高たんぱく」のレシピが評判を呼んでいます。
栄養素別で見てみると、脂質1gに含まれるカロリーは9kcal。たんぱく質は4kcal、炭水化物も4kcalなので2倍以上も高い数値です。せっかく糖質制限してご飯やパンなどの主食を控えても、その食事内容に脂質がたくさん含まれていればカロリー過多になってしまいます。良質なたんぱく質を摂りつつ、糖質と脂質は控えめにするのがおすすめです。
なるほど……。「低脂質で高たんぱく」な食材はどんなものがあるでしょうか?
豆腐、野菜は脂質が少ないものが多いです。お肉ではやはり鶏むね肉が代表的ですね。鶏もも肉でも皮を取って調理していただければ、脂質はかなり減らせます。牛・豚でしたら脂身の少ないヒレ肉など、赤身の部位を選んでいただけるといいですね。
選び方によって、お肉でも低脂質にできますね。魚はいかがでしょうか?
魚は脂質が高めではあるのですが、さばやあじなどの青魚には人が体内でほとんど生成できない必須脂肪酸が多く含まれています。良質な脂質なのでバランスよく摂取したいですね。
そこで今回、藤本さんには低脂質の代表食材・鶏むね肉を使った一品を教えてもらいました。砂糖と塩を溶かした水『ブライン液』に漬け込むだけで、パサつきがちな鶏むね肉がしっとりジューシーに。サーモスのフライパンを使って、最小限の油できれいに焼き上げます!
- 鶏むね肉 1枚 300〜350g
- ・ブライン液
- 【A】砂糖、塩 各10g
- 【A】水 200ml
- にんにく 1片
- オリーブ油 大さじ1/2
- あらびき黒こしょう 適量
- ラディッシュ(付け合わせ用) 2〜3個
鶏むね肉がやわらかく仕上がり、うま味もアップするブライン液。漬けた状態で2~3日程度冷蔵保存もできます。私も鶏むね肉を買ったときは、ブライン液に漬けておくことが多いです。
【1】鶏むね肉は観音開きにして1.5㎝程度に厚みを均一にし、ポリ袋に入れる。【A】を加えて軽くもみ、30分以上置く。焼く前に取り出し、軽く水気を拭き取る。
お肉に血の塊などが残っていると臭みの原因にもなるので、つまようじや竹ぐしで取り除きましょう。今回はシンプルな工程なので、こうしたひと手間でできあがりに差が出ますよ。
ブライン液の分量は、30分~半日程度漬けるならこのままで大丈夫。それ以上漬ける場合は味が染みすぎないよう、砂糖と塩を少し減らしてくださいね。
焼くときに油がハネないよう、水気をしっかり拭き取ります。
【2】にんにくをスライスする。フライパンにオリーブ油を中弱火で熱し、スライスした にんにくをカリッとするまで焼いたら、油を残して取り出す。
余熱でも火が入るため、薄く色づいたら取り出しましょう。
【3】【2】のフライパンに皮目を下にした【1】の鶏むね肉を入れ、ヘラなどで押し付けながら、カリッとした焼き目がつくまで中弱火~中火で約4分焼く。
【4】ひっくり返したらやや火を弱めてフタをし2分、フタを外して1分半焼く。あらびき黒こしょうをふり、器に盛り付ける。【2】を散らし、半分に切ったラディッシュを添える。
厚みのある大きめの鶏むね肉の場合は、焼き時間を少し長めに調整してください。
鶏むね肉のジューシーステーキが完成しました! ブライン液に塩と砂糖が入っているので、焼くだけでほんのり優しい塩味に。ガーリックチップの香ばしさやサクサク感も楽しめます。
薄切りにして野菜と一緒にサンドイッチにしたり、角切りにしてグリルチキンサラダにしたりと、いろいろ楽しめます!
脂質を減らすためには調理中に使用する油もできるだけ減らしたいところ。でも油を減らすローオイル調理に挑戦すると「焦げ付きやすい」「食材がパサつきやすい」「あっさりしすぎて物足りない」などの問題も出てきてしまいます。藤本さん、こういう場合はどう解決したらいいでしょうか?
食材に小麦粉や片栗粉を薄くまぶしてから調理すると焦げ付きにくくなります。また粉でコーティングすることで食材の水分が飛びにくくなり、パサつきも防止できます。「あっさりしすぎて物足りない」ときは、コクやとろみをプラスするのがおすすめ。小麦粉や牛乳などでクリーム煮にすると満足感がアップします。
小麦粉や片栗粉を上手に使うことがポイントですね。今回のレシピではあえてそうした粉類を使いませんでしたが、どうしてですか?
鶏むね肉を使う場合は粉類でコーティングするレシピを提案することが多いのですが、今回のサーモス「デュラブルコート」のフライパンで試作してみると、粉を使わずとも水分が飛びすぎずに適度に保持してくれると感じました。ブライン液に漬けるだけで手軽に作れるので、ヘルシー料理をより身近に感じてもらえるのではないでしょうか。
少ない油でもガーリックチップが作れましたし、お肉の焼き目もきれいにつきました。また、フライパン自体が軽いのも良いですね。毎日の料理作りで、この軽さは大きなポイントだと思います。
チキンステーキといえば鶏もも肉の印象がありましたが、むね肉でもこんなにやわらかくジューシーに仕上がるんですね。身近な材料と簡単な工程もうれしいポイント。ぜひトライしてみてくださいね。
撮影:山下コウ太
編集:Nadia株式会社
執筆:田窪 綾
調理師免許を持つフリーライター。惣菜店やレストランで8年ほど勤務経験あり。食分野を中心に、Webや雑誌で取材やインタビュー記事作成などを行っている。
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