使わなくなった魔法びんに、新たな未来を。サーモスの「魔法びん回収サービス」とは

ボトル、タンブラー、スープジャーといったステンレス製魔法びんの再資源化を目指して始まった、サーモスの「使用済みステンレス製魔法びん」回収サービス。

このサービスは、使わなくなったステンレス製魔法びんを、サーモスの直営店（※）の店頭で回収するというもの で、どなたでも利用できます。

※2023年9月時点では、サーモス スタイリングストアの4店舗（二子玉川ライズ店、マークイズみなとみらい店、テラスモール湘南店、阪急西宮ガーデンズ店）の4店舗で実施。回収場所はサーモス公式webサイトにてご確認ください。

店舗にご不要の魔法びんを持ち込むと、ステンレス製魔法びんを購入する際に利用できる『5%OFF下取りクーポン』が進呈されます。

店舗に集まったステンレス製魔法びんは、リサイクル業者のもとで破砕・選別されたのちに、再資源化され、さまざまな製品の素材として生まれ変わります。

お客さまから集まっている反響について店舗スタッフの佐藤仁美さんに、このサービスを始めた意図や経緯、今後の展望について社長室 経営企画課の吉行俊介さんに伺いました。

サービスが始まってから、わずか数か月ほど。ここ「サーモス スタイリングストア マークイズみなとみらい店」には、すでに月に30本ほどの使用済みのステンレス製魔法びんの持ち込みがあると、スタッフの佐藤仁美さんは話します。

「ご自宅で眠っているタンブラーや、お子さまの成長にあわせ買いかえたため不要になったボトルを持ってきてくださる方が想像以上に多く、たくさんの反響をいただいています。

お持ち込みいただいたお客さまには、下取りクーポンをお渡ししていますが、特典のためというより、サステナブルやSDGsなどの観点からお持ち込みいただく方が多い印象です 。

地球の資源について考え、循環させていくサービスの重要性を実感していていますが、スタッフとしては『サーモス スタイリングストア』に足を運んでいただくきっかけになっているのもうれしいですね」

回収ボックスが1か月で満杯になるほど、ステンレス製魔法びんの持ち込みがあるといいます。しかし、すでに多くの人が利用しているとはいえ、製品が寿命かどうかの判断が難しいところ。買いかえどきや回収サービスの利用しどきの目安はあるのでしょうか。

「保温・保冷ができず、魔法びんの機能が損なわれている状態を迎えたときですね 。

中身の温度が製品の外側に伝わっていたり、結露したり、中身の温度がいつもよりぬるいと感じるようになったら、ステンレス製魔法びんに熱湯を注いでみてください。それで外側が熱くなったら魔法びんが故障している可能性があるので、買いかえを推奨しています」

「人と環境にやさしいサーモス」というサステナビリティテーマを掲げるサーモスだからこそ、この回収サービスを立ち上げるのは必然だったと、社長室 経営企画課の吉行俊介さんは話します。

「これまでサーモスでは、ケータイマグやタンブラー、スープジャーなど、さまざまなステンレス製魔法びんを作り、お客さまに届けてきました。みなさまの豊かな生活につながる製品やサービスを開発するなかで、近年は『使い終わった製品を回収してほしい』といった声もいただいて。

お客さまに製品を届けたその先までを考え、地球環境への負荷低減に取り組んでいくことは、企業としての使命。そのような思いがあったので、今回の回収サービスを展開することを決めました」

今回のサービスのなかでも、大きな特徴となるのが「他社製品の回収もOK」という点。回収対象をサーモス製だけに縛らないのは、当然のことだったそう。

「これまでも、マイボトル持参でさまざまな特典が受けられるイベントを行ってきましたが、サーモス以外のマイボトルもOKにしていました。

なぜ他社製品もOKにするかというと、多くの方がマイボトルをあたりまえに持ち歩く文化をさらに広げたいという想いで企業活動を行っているからです 。そのため今回のサービスでも、『他社製品の回収もOK』にしたのは、ごくごく自然なことでした」

徐々に広がりつつある同サービス。今後は、全国各地に点在するアウトレット店舗・期間限定店舗などの直営店「サーモス ストア」でも順次展開していくことを視野に入れているといいます。

「回収サービスはスタートしたばかり。まだ規模は小さいですが、世の中の不要となったステンレス製魔法びんを1本でも多く回収して、再資源化に繋げていきたいと考えています 」

サステナブルやSDGsが広がった今、ものを捨てたり手放したりするのは心が痛むもの。サーモスの「使用済みステンレス製魔法びん」回収サービスなら、再資源化されてさまざまな製品の素材に生まれ変わるので、環境負荷の低減につながりそう。

マイボトルを利用し、買いかえや故障で不要になったら回収サービスを利用するという行動が、美しい地球を守る取り組みになるはずです。

撮影：栃久保 誠
編集：ノオト