整理収納アドバイザーに教わる! 2回に分ける“のんびり衣替え”

季節の変わり目にサクッとすませたい「衣替え」。だけど、衣類は気づくと増えているし、着ていない服もたくさんある! という状況で、衣替えは気が重いという人もいるのではないでしょうか。そんな人におすすめの衣替えのコツを整理収納アドバイザー・中山真由美さんに伺いました。

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中山真由美(なかやま・まゆみ)

中山真由美

なかやま・まゆみ

整理収納アドバイザー/お部屋と心のカウンセラー。「整理収納」と電撃的な出会いをした13年前に、子どもの頃からの「捨て下手」「しまい下手」を克服した自身の経験を元に、個人宅や法人の整理収納サービス事業を立ち上げ、これまでに2000件以上の片づけの悩みを解決。『10分でスッキリ! 捨てない片づけ』(主婦と生活社)他、著書多数。

HP:https://rittastanza.com/

秋冬に着ていた洋服をしまい、春夏の洋服を取り出す「衣替え」。とはいえ、ポカポカ陽気の日もあれば、まだ肌寒い風が吹く日もあり、暑かったり寒かったりするたびに取り出す洋服に埋もれる方もいるのではないでしょうか。

中山さん
「『衣替え』といっても、堅苦しく考える必要はありません。1日ですべて行おうとせず、2回に分けて、ゆっくりと進めていくと良いですよ。着用頻度の高いアイテムを手に取りやすい場所に収納するだけで、クローゼットはとてもスッキリします」

地域によって気温差はありますが、中山さんのおすすめ衣替えタイミングは以下の通りです。

1回目:3月下旬〜4月中旬→ダウンやコート、厚手のニットをしまう
2回目:6月下旬〜7月中旬→長袖や厚手のパンツなどをしまう

中山さん
「1回目に、ボリュームのあるコートやセーターなど『春は確実に着ないもの』をまとめて収納しましょう。空いたスペースに、カットソーやカーディガンなどを出します。2回目は、梅雨が終わる7月上旬頃。このタイミングで、夏用のTシャツなどを揃えましょう」

最近は、インナーで体温調節をする人やシーズンレスに着回せる衣類が増えています。中山さんいわく「クローゼットや引き出しの中で、よく使うものを手前に出し、そうでないものは奥にするなどの整理整頓も立派な衣替え」とのこと。自分のペースで衣類を管理しましょう。

収納の目安タイミングを教えてもらったところで、気になるのはプロが使う収納アイテム!
中山さんのおすすめは不織布にファスナーのついた「ソフトケース」です。

中山さん
「ソフトケースは柔らかな素材でできているので、クローゼットの上部などちょっと高い位置に置いても安心です。また、ソフトケース自体を畳むことができるのもポイント。夏服は薄いので収納するケースが余りがちですが、ソフトケースごと畳んでしまえばスペースも無駄になりません。さまざまなサイズやカラーが安価に販売されているので、好みのソフトケースを探してみてくださいね」

とはいえ、いきなりソフトケースを買いに行くと、収納場所以上の量を買ってしまうこともあるそう。収納場所と収納量を把握してから買い物に行きましょう。

中山さん
「クローゼットではなく、押し入れに収納する場合は、いわゆる引き出し式や蓋つきの衣装ケースを下段に使うのも良いですね。上段に衣装ケースをのせると取り出すときに危ないので、上段であればソフトケースで収納するのがおすすめです。ハンガーに吊るしっぱなしの衣類は、肩の部分に跡がつかないハンガーにかけておくのが良いでしょう」

数ヶ月にわたる保管期間。防虫剤や防湿剤を入れて、大事な衣類をしっかり守ることも大切なポイントだそう。

中山さん
「用量・用法は各商品の説明書に書いてある指示に従ってください。他の商品と混ぜることを禁止している商品もあるので、説明をしっかりチェックして。また、衣替えのときにさっとクローゼットを掃除してしまうと良いですよ。雑巾が面倒なら、ウェットティッシュで拭くだけでもスッキリします。なるべく楽な方法を取ることを考えましょう」

収納アイテムを教えてもらったら、洗濯についてもアドバイスをいただきましょう。

中山さん
「洗濯表示を確認して、自宅で洗濯できるものと、クリーニングに出すものを選別します。このとき、タグの印刷が薄くなって洗濯表示が読めなくなっていたら、衣類の寿命かもしれません」

中山さん
「一度でも袖を通した衣類は、収納前に必ず洗濯をしましょう。特別な洗濯ではなく、いつものように洗ってもらえれば大丈夫です。型崩れを防ぐために、洗濯機が止まったらすぐに取り出してくださいね。クリーニングに出した衣類をクローゼットへしまう場合は、お店でかけてくれるビニールを必ず外して、半日ほど陰干ししてから収納しましょう。湿気をしっかり逃すことが大切です」

では、洗濯後の畳み方にテクニックはあるのでしょうか?

中山さん
「収納するときもいつも通りでOKです。着る人ごとに分けて、ソフトケースの中に平らになるように重ねていきましょう。プリーツスカートやジャケットなど型崩れが心配なものは、吊るしたままの収納が良いですね」

ちなみに、1シーズンぶりに出した衣類には、防虫剤の香りがうつっていることも……。着用前には、もう一度洗ってから着たほうが良いのでしょうか?

中山さん
「湿気と防虫剤の成分を飛ばすという意味合いで半日程度、陰干しをすると良いと思います。アレルギーが酷くて、『衣替え後の衣類を着るとくしゃみが止まらない』といった場合には洗濯をしましょう」

衣替え時に出てくる「今シーズンは着なかったな……」という洋服。着ようと思えば着られるので捨てる気にはならず、また収納ケースの奥底にしまわれていってしまい、気がついたらそんな洋服ばかりになっていることも。

中山さん
「今シーズン着なかった洋服はソフトケースに入れず、紙袋などにまとめてクローゼットの隅や押し入れの奥など使わない場所に置いておきましょう。その際は日付を書いておいて。2~3年以内に着なければ、もうそれは必要がないということ。時間が経てば捨てる罪悪感も薄まります」

体型や流行の変化もあるので、時間が経てば「着るかも」が「着ないな」という感覚になり、洋服を捨てるというストレスが減っていくのですね。

中山さん
「持っている洋服の量というのは、仕事やファッションに対する意識などで人それぞれなのですが、収納できる量で決めるというのも1つの方法です。そうすれば、収納スペースに衣類があふれることはなくなっていきます」

1つ買ったら、1つ捨てるといったような基準を設け、これ以上は増やさないというのも片付け術における覚えておきたい心掛けです。衣替え時に、買い替えを考える衣類のチェックもすると管理が楽になるのはうれしい発見! 

中山さん
「気負わず、がんばり過ぎないのが、片付け上達への道です。コツコツと継続して、習慣化していくと、いつの間にか楽に片付けできるようになりますよ」

時期だからといって儀式のように洋服を入れ替えるのではなく、自分の暮らしやすさのために、洋服を使いやすい配置にすれば良いという気負わない「衣替え」。まずは、着なかった洋服をまとめるところから始めてみませんか。

イラスト:ナカミサコ
編集:ノオト

田中いつき

田中いつき

たなかいつき

東京農業大学卒業後、自然体験活動に従事。2014年よりフリーランスライターに。ライフスタイル、エンタメ、レシピ作成記事などを執筆。自然環境、農林業、環境問題に明るい。好きなもの:散歩、コーヒー、アイス、チョコ。

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