スープジャーで世界一周 -情熱の国の冷たいガスパチョ(スペイン)-
忙しい毎日。朝起きて、家事や仕事に追われるうちに、気がつけばもう夕方。 どこか遠くへ旅に出たい! なんて思う日もありますが、残念ながらそう簡単に飛び出すわけにはいきません。 それならせめて気持ちだけでも広い世界を味わいたいもの。 ここでは世界各国のスープ料理を、その国の魅力やマメ知識と共にご紹介します。 スープジャーに世界中のスープ料理を閉じ込めて、旅してみませんか?
この記事をシェアする
冷たいものがおいしく思える今日このごろ。今回ご紹介するガスパチョも、夏に嬉しい冷製スープです。発祥の地とされるのは、スペイン南部のアンダルシア地方。典型的な地中海性気候で、夏は強い日差しが照りつけ、35℃を超えることもしばしば。
今回は「情熱の国」スペインの冷たいスープ、ガスパチョをご紹介します。
スペインといえば闘牛とフラメンコというイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
アンダルシアはスペインの自治州の一つで、南は地中海・ジブラルタル海峡・大西洋に面し、西はポルトガルに接しています。このため、古くから海洋交易や政治の覇権を争う、複雑な歴史の舞台でもありました。
ここでは駆け足で、アンダルシアの観光名所を回ってみましょう。
アンダルシア地方は8~15世紀にかけてイスラム王朝の王国でした。その間もキリスト教諸国とのせめぎ合いが続き、1492年についに陥落、キリスト教を主教とするスペイン王国となったのです。
現在でもこの地の建造物にはイスラムの栄華が色濃く残っています。
なかでもグラナダは、イベリア半島最後のイスラム王朝であるナスル朝の都だったところ。
世界遺産、アルハンブラ宮殿はあまりにも有名です。
とりわけイスラムの伝統的な装飾様式「アラベスク」の美しさにはため息をつくばかり。
歌って踊って、美しいものを眺めたあとは、食べたり飲んだりしたいですよね。
アンダルシア名物のお酒、それは「シェリー酒」です。
シェリー酒は、ヘレスという街とその周辺の地域で造られる白ワインのこと。フランスのシャンパーニュ地方で造られたワインのみを「シャンパン」と呼ぶように、ここで造られたもののみが「シェリー」を名乗れるのです。
醸造の過程で蒸留酒を加えるため、アルコール度数は15~22%程度と一般的なワインより少し高め。食事を楽しむにはシェリー酒が欠かせません。
ガスパチョは、アンダルシアの暑い夏を乗り切るのにぴったりの、冷たいスープです。
世界に冷製スープはさまざまありますが、このスープの特徴は火を使わずに作れること。
なにしろパンと野菜をミキサーにかけるだけで、できるんです!
材料にバゲットが入ることでコクが出て、食べごたえもアリ。
水は野菜から出る分だけで十分ですが、お好みで水を足して、さっぱりした味にしてもいいでしょう。
写真では、みじん切りにした野菜やゆで卵をトッピング用に用意しました。
少しずつ加えて、スープの味を楽しんでくださいね。
- トマト 中1個
- 玉ねぎ 1/16個
- ピーマン 1/4個
- きゅうり 4cm程度
- バゲット(白くて柔らかい部分) 薄切り1枚分
- おろしにんにく(チューブでもOK) 少々
- 水 大さじ1~2(お好みで)
- 【A】
- オリーブ油 小さじ1
- ワインビネガー 大さじ1/2
- パプリカパウダー 少々
- クミンパウダー 少々
- 塩 ひとつまみ
- こしょう 少々
スープジャーに氷水(分量外)を入れ、フタをして3分ほど予冷する。
1. トマトは湯むきしてざく切りにし、玉ねぎ、ピーマン、きゅうりは2cm角程度に切る。
2. 1の野菜とおろしにんにく、バゲットをミキサーに入れ、30秒ほど撹拌する。Aの調味料を加え、さらに30秒ほど撹拌する。どろどろしすぎて食べにくいようであれば、必要に応じて水を入れる。
3. 塩こしょうで味を調え、器に入れて冷蔵庫で20分以上冷やす。スープジャーに注いで完成。
※保冷後は6時間以内に一度にお召し上がりください。
ライター:松下梨花子
スープの撮影:土肥裕司
編集:オフィス福永
この記事をシェアする