物価高、どう乗り切る?「1週間3600円献立」を実践する料理家に聞く、令和のお買い物テク
物価が高騰し、お財布事情が厳しい昨今。買い物上手な人はどんな工夫で乗り切っているのでしょうか?ボリューミーな料理で節約にもなる、そんなお買い物テクを「2人分で夕食1週間3600円献立」をテーマに発信するNatsuさんに伺いました。
この記事をシェアする
Natsu
ナツ
かつて、食材を使いきれず捨ててしまう日々が続いたことから思いを一新。身近な材料と調味料を使い、無理なく続けられる一汁三菜の献立作りやレシピをInstagramで日々発信する。食材を無駄にせず、簡単で節約や時短にもつながると人気を博し、18万人以上のフォロワーを持つ。著書に『Nastuの1週間節約献立』(ワン・パブリッシング)。
Instagram:@ychinatsu_ryori
「節約はするけれど質素にしない」をモットーに、1週間分の献立や料理レシピを発信しているNatsuさん。安さだけを追求するのではなく、味や見た目、ボリューム感も重視しているそう。普段、献立を考える時はどんなことを意識していますか?
スーパーに行く前にまず1週間分の献立を考え、必要な食材をリストアップしています。でも2人分3600円という予算内で、すべての献立を一汁三菜にこだわるのはやはり難しいです。そこで、週1~2回は見た目に迫力が出る丼ものやガッツリ系の揚げ物などを取り入れています。栄養バランスは「1週間トータルで摂れていればOK」と考えると無理なく取り組めますよ!
なるほど……。こだわりすぎず、メリハリをつけるのがポイントですね。ここからは、Natsuさんが実際に考えた1週間分の献立と、買い物リストを見ながら解説していただきましょう。
まず、1週間分の主菜を書き込みます。「寒いから鍋にしよう」「クリーム系の料理がいいな」など、食べたいものや季節感のあるものを自由に書き込みます。その後、すき間を埋めるように副菜と汁物を考えますね。ここでは、すでに自宅にある食材を組み合わせたり、和洋のバランスを考えたりしています。
主菜→副菜の順番に決めていくんですね。他に気を付けているポイントはありますか?
色味のない献立にならないよう、トマトやにんじん、卵など、料理ごとに彩りがある食材をひとつは入れるように心がけています。旬の食材は安いので積極的に献立に取り入れていますね。
また、同じ日に炒める料理が多いと作るのが大変なので、メインを炒め物にしたら、副菜は電子レンジ調理で完結できる一品や、和えるだけの料理を選びます。副菜は食材ひとつでできるものにすると準備の手間も省けますね。他にも、傷みやすい食材はできるだけ週の前半の献立に使うなど、タブレットを使って書き出してから入れ替えて調整します。
確かに、1食分の献立でフライパンを使う料理ばかりになってしまうと大変ですよね。そして、今回の献立1週間分に必要な食材リストがこちらです。
保存がきく乾物や加工品は常備している場合も多いため「なければ買い足す」のスタンスです。このあと取材チームもNatsuさんと一緒にスーパーへ行き、節約につながる買い物テクニックをお聞きしました。
買い物のおともには、サーモスの「保冷買い物カゴ用バッグ」を。Natsuさん、使ってみてどんな印象を持ちましたか?
レジカゴにぴったりセットでき、移し替える手間がいらないのがうれしいですね! 大容量なので、まとめ買いにはもちろんバーベキューやキャンプにも重宝しそうです。いつもたくさん買うとストラップが肩に食い込んで痛いのですが、厚みのある手くるみでとてもラクでした。使い終わったらコンパクトに収納できるのもいいですね!
買い物の際はどんなことに気を配っていますか? 食材の選び方や、節約につながるポイントなどがあれば教えてください!
まず、冷凍できる肉や魚類、日持ちする加工品や乾物などは安い時に多めに買います。1g単位で考えるとかなり価格が抑えられますから。お手頃のかにかまや、150g×3個パックの充填豆腐、小分けになっていて2人分で使い切りやすい韓国海苔などは我が家のスタメン食材です。
いざスーパーに行ってみて「予想より高い…!」という時はどうしていますか?
そういう時、ありますよね(笑)。「ほうれん草ではなく小松菜に替えよう」など臨機応変にしています。彩り用のピーマンや、副菜の和え物に使うツナ缶など、メイン食材ではないものは2個使うレシピを1個にして節約することもありますね。
この日は1日目の献立を実際に作っていただきました。彩りがキレイですね!ごぼうや厚揚げの照りも食欲をそそります。
- 主菜:豚こまキャベツの旨だれ炒め
- 副菜①:厚揚げとごぼうのごま炒め
- 副菜②:もやしの海苔ナムル
- 汁物:レタスとトマトのスープ
味付けや盛り付け、食材の上手な使い方など、料理するうえで気を付けていることはありますか?
今回は主菜と副菜①がごはんに合うしっかりめの味付けなので、副菜②とスープはさっぱり食べられるものにしました。「もやしの海苔ナムル」はもやしを電子レンジで加熱し、海苔と調味料を混ぜるだけ。冷めてもおいしく食べられる一品があると気持ちに余裕が出ますよ。
今後いつまで続くかわからない物価上昇の波。きちんと満足できて、なおかつ節約にもなる、そんな買い物ができたらいいですよね。Natsuさんの買い物テク、今日からぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。
※地域や店舗によっては、おおよそ3600円に収まらない場合があります
撮影:山下コウ太
編集:Nadia
執筆:田窪 綾
調理師免許を持つフリーライター。惣菜店やレストランで8年ほど勤務経験あり。食分野を中心に、Webや雑誌で取材やインタビュー記事作成などを行っている。
この記事をシェアする