サーモスブランドの歴史

サーモスブランドの歴史を、
魔法びんのはじまりから時系列にご紹介します。

1892

魔法びんの原型が考案される

1892年、イギリスの科学者ジェームス・デュワーが真空の二重ガラス容器を製作し、真空となっている空間の内壁に金属メッキを施すことで、輻射による熱の損失を防ぐ魔法びんの原型を作りました。現在でも、液体窒素などを保存するための理化学用の魔法びんは「デュワーびん」と呼ばれています。

1904

サーモスの誕生

デュワーの元でガラス容器を製造していたドイツのガラス職人ラインホルト・ブルガーが、このガラス製の真空ボトルを保護用の金属ケースで被うことを考案しました。このパテントを1903年にドイツで取得し、翌1904年にブルガーは、THERMOS G.m.b.H.(テルモス有限会社)をベルリンに設立しました。商品としてガラス製魔法びんの生産を開始。ちなみにブランド名のTHERMOS<テルモス>はギリシャ語の「熱の意」から来たもので英語読みではサーモス(Thermos)です。

1907

世界各国に広がる

1907年にはイギリス、アメリカ、カナダでサーモス各社が設立されました。これ以降、急速に世界中に魔法びんが普及し、各国の遠征や探検などにサーモスの魔法びんが使用されるようになりました。

日本にやってきたサーモス

明治時代には日本にも魔法びんがやってきます。
「驚くべき発明なる寒暖瓶」と表記してドイツ サーモス社製の魔法びんを紹介しています。その後もガラス製魔法びんやクーラーボックス製品などが輸入され、利用されていたようです。
広告は1908年(明治41年)のものです。

1908年(明治41年)ドイツ サーモス社製品を紹介した広告
1910

1910年代の暮らしとサーモス

1904年に登場した魔法びんは、時代の変遷とともに形状や機能を変えながら世界中で愛用されました。

生活と密接になった魔法びん

1914年には第一次世界大戦が勃発するなど、世界中が大きく混乱し、変化した時代でした。サーモスの広告にもこうした時代背景が映し出されるようになり、魔法びんは人々の生活と非常に密接な存在になってきました。第二次世界大戦中である1940年代には、イギリス軍でも採用されています。

1918年の広告
1930

英国王室御用達の認証を得る

1930年、サーモスの製品は、英国王室から御用達の証である紋章をつける権利をえて、広告にもその紋章が記載されています。
このころにはサーモス製品は世界中で認知され、信頼されるようになりました。

サーモスで垣間見る当時の生活

画像は1935年のイギリスの広告で、水筒タイプや水差しタイプ、フードジャー、バターを入れるためのものなど、このころから生活に合わせて様々なタイプが開発・提案されていたことがわかります。