こんなに簡単でいいの!?頑張りすぎないラクする離乳食【後期】のコツ

「離乳食って面倒」「この時期は何を食べさせたらいいの?」など、離乳食作りの悩みはいろいろありますよね。難しく考えず、簡単で栄養満点な離乳食レシピと、上手にラクするコツを管理栄養士の植草真奈美さんに教えていただきました。

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植草 真奈美

植草 真奈美

(うえくさ・まなみ)

管理栄養士/フードコーディネーター。保育園で栄養士として、離乳食や乳幼児食、アレルギー食など子どもたちの食に携わる。その後、大手料理教室へ。本社商品開発部でレシピ開発、ヘルスケア事業部の立ち上げに従事。現在は独立し、管理栄養士としての視点を生かしたレシピ開発やベビーフードなどの商品開発を手がけるなど幅広く活躍中。
HP:https://manami-uekusa.com/

赤ちゃんの離乳食は、一般的に生後5ヶ月~6ヶ月頃を目安に始めます。最初はなめらかにつぶしたおかゆや野菜など。そこから少しずつ固さや量を調整して、いろいろな食材や味付けも試していきます。

9ヶ月以降は離乳食後期のタイミング。お肉も食べられるようになり、1回の食事の量が増え、1日の食事の回数は3回になります。とはいえ、個人差や食べムラも出てきて、親としては心配や不安が多くなる時期でもあります。

「いろんなものを食べさせたいけど、何がいい?」「だしを取ったり、食材を煮たりつぶしたりするのが大変…」。パパママたちからは、そんな声もよく聞こえてきます。そこで、管理栄養士の植草真奈美さんに、ラクする離乳食作りのコツをお聞きしました。

離乳食は、できるだけ素材の味を生かして作ります。そのため、塩や砂糖などの基本の調味料を使わないことが多いですが、それでもちゃんと美味しいものが作れるのでしょうか?

植草 真奈美
植草さん

離乳食は自然な素材の味を生かすために、調味料ではなく「だし」を使うのがいいですね。赤ちゃんにおすすめなのは、かつお節や昆布で取っただし。あとは、いろんな野菜を煮込んだだしも、自然な甘みが出て美味しいんですよ。このだしだけでも、赤ちゃんにとっては十分味のあるものになります。

だしを使うといいのですね!
でも、わざわざだしを取るのは大変そうですが…。

植草 真奈美
植草さん

そんなことないですよ! 野菜のだしなら、じゃがいもやにんじん、カボチャ、キャベツなど、甘みのある野菜をいろいろ組み合わせて煮込んで、野菜はそのまま離乳食に、煮汁をだしとして取っておけばいいんです。離乳食を作りながらだしも取れて、一石二鳥です!

だしを取るというよりも、離乳食を作るついでにだしも取れちゃう、という考え方ですね。それなら負担も少なくていいですね!

▲スティック状に切れば、手づかみで食べやすい!

子どもが食べやすいように食材を小さくカットしていくのも結構手間がかかりますよね。大人が食べる食材と一緒なのに、大きさを変えて作り分けるのが面倒、という声もありますが、何かいい方法はありますか?

植草 真奈美
植草さん

離乳食作りで便利なのは調理バサミです。私は、大人用として作った料理を味付け前に取り分けて、子ども用にハサミで食べやすい大きさにカットすることもありますよ。

なるほど!
これなら大人用と子ども用を分けずに料理が作れて、確かに便利ですよね。

植草 真奈美
植草さん

食パンなどやわらかい食材は、調理バサミでスティック状に。包丁とまな板を使わなくて済むので、後片けもパパッとできていいですよ!

▲まとめて作って冷凍ストック!

赤ちゃんが1回に食べる量はとても少量。毎回ちょっとだけ作るのが難しいのはどうしたらいいでしょう?

植草 真奈美
植草さん

そうですよね、少量だと焦げ付きやすくなるなど火加減が難しいんです。なので、離乳食はまとめて作るほうが断然作りやすいです。作った離乳食は、個食に分けて冷凍ストック。これで毎回の食事準備の手間も省けてラクチン!

どれくらいの量を作ると良さそうですか?
冷凍したとしてもすぐ使い切ったほうがやっぱりいいですよね?

植草 真奈美
植草さん

私が離乳食を考えるときは、だいたい5回分を目安にした量をまとめて作れるようにしています。何種類かの離乳食をそれぞれ5回分用意しておけば、メニューかぶりせずに朝昼晩と出しやすいですよ。冷凍した離乳食は1週間程度で使い切ってくださいね。

「離乳食はできるだけ手作りしたい」と思っていても、赤ちゃんのお世話をしながら離乳食の用意をするのは大変ですよね。手作りする余裕がないときはどうしたらいいでしょう…?

植草 真奈美
植草さん

冷凍のブロッコリーやほうれん草など、市販の冷凍フードでも安心して赤ちゃんが食べられるものもたくさんあります。私もお気に入りのオーガニックの冷凍フードがあって、初めて食べたときすごく美味しくてびっくりしました! ブロッコリーなら、電子レンジで加熱してからハサミで切って、それを出すだけでもいいのでかなり助けられましたよ。

ベビーフードもたまには使っていいものですか?

植草 真奈美
植草さん

もちろんです。その子にとってやわらかすぎたり、味が濃く感じたりするものもあるかもしれませんので、その場合は味見をしながら調整してみてください。ご自宅での食事でもうまくベビーフードを活用できるといいと思います!

手作りしつつも、忙しいときや冷凍ストックがなくなりそうなときには、市販のものもうまく活用していけると良さそうですね。
植草さん、頑張りすぎない離乳食のコツをいろいろありがとうございました!

今回は、植草さんに生後9ヶ月~11ヶ月頃の離乳食レシピを教えていただきました!
ささみとさつまいもを使った、優しい味わいのポタージュスープは、パンにもご飯にも合うお味。コーンやブロッコリーを散らして、彩りもきれいに仕上げました。

使用食材はそのままで、調理形態を変えれば、7ケ月~8か月のお子さまにも食べやすい離乳食になるレシピです。

では早速作り方を紹介します!

  • 鶏ささみ 40g
  • さつまいも 60g
  • 玉ねぎ 20g
  • オリーブオイル 小さじ1/2
  • だし汁 150ml
  • 牛乳 大さじ3
  • ブロッコリー 15g
  • コーン(ホール缶) 15g

【下準備】材料をカットする。
・鶏ささみは筋を取り除き、1cm角に切る。
・さつまいもは皮をむき、1cm角に切る。しばらく水にさらしておく。
・玉ねぎはみじん切りにする。
・ブロッコリーはやわらかくゆで、細かく切る。
・コーン(ホール缶)は細かく切る。

▲ブロッコリーやコーンも細かく刻みましょう!
植草 真奈美
植草さん

さつまいもの代わりに、じゃがいもやかぼちゃを使うこともできますよ。食材によってはレシピに記載しただし汁を少し増やしたほうがいい場合もあります。なめらかなポタージュになるよう、調整してみてくださいね!

▲じゃがいもとかぼちゃを使う場合も、さつまいもと同じ1㎝の角切りに

【1】鍋にオリーブオイルを熱し、鶏ささみ、玉ねぎを入れ、中火で炒める。

【2】肉に火が通ったら、さつまいもを加え、サッと炒める。

植草 真奈美
植草さん

お肉にちゃんと火が通ればOK。このあとだし汁で煮込むので、さつまいもには完全に火を通さなくても大丈夫です。

【3】だし汁を加え、やわらかくなるまで煮る(沸とう後、フタをして弱火〜中火約7〜8分)。

▲フタをしてコトコト煮込みます
▲さつまいもがこれくらい透き通っていたらOK
植草 真奈美
植草さん

だし汁は野菜スープや昆布だしがおすすめですよ!

【4】3をハンドブレンダーでなめらかになるまで撹拌する(約1分)。

植草 真奈美
植草さん

7ケ月~8ヶ月の赤ちゃんなら、このタイミングでコーンも加えて、一緒に撹拌してくだい。

【5】4を鍋に戻し入れ、牛乳、ブロッコリー、コーンを加え、弱火~中火で混ぜながら温める。

▲加熱しながらゆっくり混ぜるのがポイント
▲しっかり混ざってとろみがついてきました!
▲コーンとブロッコリーも入れて彩り鮮やかに
植草 真奈美
植草さん

7ケ月~8か月のお子さまの場合、ブロッコリーはすりつぶしてあげると食べやすいですよ。ここで混ぜ込まず、最後にスープに浮かべてあげてください。

▲完成!
植草 真奈美
植草さん

ブロッコリーやコーンは加熱済みなので、スープに加えた後はそんなに煮込まなくても大丈夫です。全体がまとまれば完成です!

▲サーモスの離乳食ケース

離乳食がスタートすると、お出掛けや赤ちゃんを預ける際の荷物が増えたり、持ち運び用の食事はどんなものを用意すればいいのかわからなかったり、いろいろ悩みが増えますよね。

そんなときに便利なのが、サーモスの離乳食ケース。内容器が2つと、それらを収納できる保冷専用の魔法びんタイプのケースがセットになっています。内容器は、冷蔵はもちろん冷凍にも対応しており、フタを外せば電子レンジ加熱もOK。

作っておいた離乳食を内容器に入れて冷蔵または冷凍しておき、お出掛け前に保冷ケースにセット。しっかり保冷できるので、手作りの離乳食を長時間持ち運んでも安全安心です。

植草 真奈美
植草さん

衛生面から考えると、離乳食の持ち運びは心配ですが、保冷できるサーモスの離乳食ケースなら安心ですね。これがあれば、離乳食がネックでお出掛けが制限されるなんてことも少なくなりそう!

内容器は、フタにパッキンが付いていて、今回教えていただいたポタージュスープのような汁気の多い離乳食でも漏れずに持ち運べます。

植草 真奈美
植草さん

パッキン付きのスクリュータイプのフタなので、しっかり漏れを防げるのがいいですね!

内容器同士と外容器(魔法びん構造)のフタは、重ねて固定できるつくりになっているのも特徴。外容器(魔法びん構造)に入れたり出したりがしやすいように工夫されています。

植草 真奈美
植草さん

フタと容器の底にある凸凹をカチッとなるまで重ねたら、ちゃんと固定されるんですね。縦長の外容器(魔法びん構造)にもこれなら出し入れしやすくて使いやすい!

最後に、離乳食作りに苦手意識があったり、どんなものを作れば赤ちゃんが喜んでくれるかわからなくて悩んでいる、という方に向けて、植草さんからアドバイスをいただきました。

植草 真奈美
植草さん

立派な料理じゃなくて、野菜を煮るだけ、ゆでるだけでも案外赤ちゃんは喜んで食べてくれますよ! 食べられそうな野菜や白身魚など、優しい食材をシンプルに加熱するだけでもOKなので、気負わずにいろいろな食材に親子でチャレンジする気持ちで進めてみてはどうでしょうか。小さいうちから素材そのものの味を感じることで、味覚を育てていくことにも繋がりますよ。

いわゆる料理になってなくてもいい。素材を楽しめるシンプルなもので大丈夫。
そう考えると、パパママの肩の荷も少しは軽くなりそうでしょうか?
今回のレシピも参考にしながら、赤ちゃんと一緒に食事を楽しんでみてくださいね。

撮影:山下コウ太
編集:Nadia株式会社
執筆:糸井朱里

糸井朱里

糸井朱里

WEBやSNSのディレクター/ライターとして活動中。得意ジャンルはグルメ、子育て、女性のライフスタイル全般。

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