料理にも使える! 今井真実さんの「柚子のホットスパイシーシロップ」
寒い冬こそ、スパイスドリンクで温まりたい! そんな思いを叶えるべく、巧みなスパイス使いでいつもの料理をおいしく変えてくれる料理家の今井真実さんに、からだの芯からあたたまるスパイシーシロップづくりと、その多彩なアレンジ術を教えてもらいました。
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今井真実
(いまい・まみ)
料理家。毎日ごはんを作る人が嬉しくなる「新しい家庭料理」を提案する。雑誌、WEBメディア、広告などでレシピ考案、スタイリングを担当。「3度の飯よりお肉好き!」で、キャンプで焚き火をしながら塊肉を焼くのが一番のストレス解消法。著書に『毎日のあたらしい料理 いつもの食材に「驚き」をひとさじ』(KADOKAWA)『いい日だった、と眠れるように 私のための私のごはん』(左右社)がある。
Twitter:@imaimamigohan
風がひんやり冷たくなってきました。寒い冬、冷えていくからだを芯から温めたい! そんな思いを、あっと驚くおいしいレシピをいつも届けてくれる料理家の今井真実さんにぶつけてみたところ……
やっぱり寒い日は、からだが温まる大好きなお酒もいいけど、ピリッとした味わいのスパイスドリンクが最高です! 私は来客が来るときに用意することが多いかな。スパイスドリンクがあるだけで会話が盛り上がるし、お酒が飲めない人も楽しめるんです。しかも作り方はとても簡単で、季節の果実に家にあるスパイスを合わせるだけ。冷えたからだを温めてくれるから、この季節にぴったりだと思います。
普段からシナモンや八角など、料理で余ったスパイスを使ってスパイスドリンクを楽しんでいるという今井さん。今回は、冬の果実「柚子」を使ったスパイスドリンクを考えてくれたそう。
義実家が農家なので、とてもありがたいことに冬になると柚子をたくさん持たせてくれるんですよ。旬の味わいを逃したくないので、麺つゆや醤油とフレッシュな果汁を合わせてポン酢のように鍋に添えたり、比較的保存のきくジャムにしたりしながら満喫しています。義実家からいただいた食材はおいしく、心からありがたいので、余すことなく工夫をしながら必ず使い切るようにしています。
今回は、今井家からいただいた柚子と唐辛子、そして身近な調味料の代表選手ブラックペッパーを合わせて、スパイスドリンクのシロップを考えてみました。生姜も使っているので、じわっと汗をかくくらいからだがぽかぽかになります!
そんな“いい嫁”エピソードを聞いたら心まで温かくなってきましたが、今井さんのスパイスドリンクのシロップ、とても気になります! 早速教えていただきましょう。
- 柚子…2個
- 生姜(皮付き)…1片(約15g)
- ブラックペッパー(ホール)…15粒
- 唐辛子…1本
- 砂糖…180g
砂糖の量は、そのほかの材料と1:1程度の分量になっていれば大丈夫です。砂糖が少ないと傷みやすいので、アバウトに作るなら多めがおすすめ。砂糖の代わりにはちみつを使ってもおいしく仕上がります。
【1】柚子を4分割にカットし、果汁を絞る。
柚子と生姜は洗って、しっかりと水気を拭き取っておくのがポイントです。ここで水気が残っているとカビの原因になるので、気をつけてくださいね。
【2】柚子の皮とワタ、皮付きのままの生姜を薄切りにし、絞った果汁と合わせる。
柚子は種とヘタを取って薄切りにし、それをさらに2 等分するのがおすすめです。果芯など硬い部分が気になる場合は取り除いてください。
【3】2にブラックペッパー、唐辛子、砂糖を加え、よく混ぜたらできあがり!
スパイシーな味わいが好きなら、ブラックペッパーや唐辛子の量を増やしてもOKです!
切って絞って混ぜるだけの「柚子のホットスパイシーシロップ」。いろいろな楽しみ方をしてほしいと、今井さんがアレンジ術を披露してくれました。
まずは定番の炭酸割り。
寒いとはいえ、乾燥しがちな冬こそ、喉をうるおしたくなります。炭酸で割ると、甘みがおだやかになり、すっきりとした味わいになるので、ごくごく飲めますよ。シロップの量は、グラス1杯に対して大さじ2くらいが目安。たっぷりと入れて、柚子の風味を濃いめに楽しむのもいいと思います!
そしてお酒好きとしても知られる今井さん。ワインに合わせる「柚子サングリア」も。
やっぱりお酒と合わせたくなっちゃいました(笑)。ビールとの相性もいいんですが、おすすめは白ワイン。ひとさじ加えるだけでサングリアのような味わいになって、お酒がすすむ、すすむ! 漬け込んでおく必要もなく、手軽にできるのも高ポイントです。おいしく飲む分量の目安は炭酸割りと一緒。お好みで調整してみてくださいね。
最後に伝授してくれたのは、塩もみした大根にシロップを和える「柚子大根」。ひと口味わうと、爽やかな柚子が口いっぱいに広がり、シャキシャキの大根とベストマッチです!
皮をむいて刻んだ大根(200g)を塩(小さじ1/2)でもんで、10分ほど置いて水気が出たらよく絞り、米酢(小さじ2)とシロップ(小さじ4)を混ぜれば完成! もう一品欲しいときにもぴったりです。
ドリンクだけでなく、料理にもシロップを使うというアレンジ術は、毎日ごはんを作る人を思って活動をする今井さんならでは。
ジャムやシロップってせっかく作っても、どうにもあまりがちなんですよね。だから私は普段から料理にも使っちゃってます。おうどんや味噌田楽にのせても、お肉を焼くときに絡めても、めっちゃおいしいんですよ!
さて、ここからは毎度お馴染み、今井さんによる実食タイムのおでましです。いちだんと冷え込むこの日、今井さんが選んだのは「柚子のホットスパイシーシロップ」をお湯で割ったシンプルな1杯。今回のお味はいかほどに?
はぁ〜、おいしい。最初は甘みがくるんですが、徐々にブラックペッパー、唐辛子、生姜がきいてきて、どんどんからだがじんわり熱くなってきます! 冬の寒い日、この「柚子のホットスパイシーシロップ」で、ぜひからだの中からあたたまってください。
冷えたからだをぽかぽかにしてくれる、今井さんの「柚子のホットスパイシーシロップ」。多彩なアレンジができるから、余るどころか、あっという間に使い切っちゃいます。作り方も簡単なので、自炊が苦手な人こそチャレンジを。
撮影:今井裕治
編集:ノオト
船橋 麻貴
ふなばし・まき
雑誌やWEB、広告などで執筆中。生涯の目標に締切厳守を掲げるものの、いろいろ遅れがちな人生。特技は暴飲暴食と思いつき旅。焼き菓子&パン1年生。
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