フライパンでどこまで調理は広がる? 「炒める」以外の方法を試してみた

炒める以外にもさまざまな調理が楽しめるフライパン。オーブンがなくても、蒸し器がなくても、天ぷら鍋がなくても、フライパンがあれば、あらゆる調理法が可能になります。どんなことができるのか、実際に試してみました。

この記事をシェアする

Facebook X LINE

料理を始めようと思ったとき、真っ先にそろえるといい調理器具はフライパンだと聞いたことがあります。なぜならフライパンは、炒める、焼く、蒸す、煮る、揚げる……などなど、さまざまな調理に幅広く対応できる万能選手だから。

だけど思い返してみると、そのポテンシャルに真っ向から向き合ってみたことがないかもしれません。ここらで一度、ちゃんと向き合ってみたい。……というわけで、さまざまな調理方法を検証してみました。

直径が26センチ程度あると、あらゆる調理に対応しやすいのだとか。今回はサーモスのKFH-026を使って試していきます。丈夫で焦げ付きにくいのもうれしい!

はじめに作ってみるのはプリン。カラメルやプリン液を作って型に流し込んだら、オーブンで焼く……というのが通常の流れですが、フライパンで蒸し焼きにしてもよいのだそう。

ちなみにプリン型がない場合には、耐熱の容器やお皿を使えば大丈夫とのこと。身近な道具の組み合わせで作れるスイーツなんですね。

プリン液を型に流し込んだら、アルミホイルでフタをしてフライパンに並べ、型が半分〜3分の2くらい浸る量のお湯を注ぎ入れて、静かに火をつけます

ポイントは火加減。火が強すぎると、プリンに「す」と呼ばれる、ぶつぶつとした穴ができて、食感がざらついてしまうのです。

フタをして弱火で15分くらい加熱したら火を止めて、10分くらい置いておきます

アルミホイルを剥がし、容器ごとプリンを揺らして、プリン液が固まっているのを確認します。あら熱を取ったら、冷蔵庫で冷やして完成です。

食べてみると……どうやら無事成功したようです。舌触りはなめらかで、弾力のあるプリンにしっかり仕上がっていました。オーブンがなくても、自宅でプリンは作れる。そう思うと感慨深い! 自分で作ると、お好みの固さに調整できるのもうれしいです。

続いては冷めたピザ。食べきれなかったり、持ち帰っているうちに冷めてしまったりすることはありませんか。そういったピザをほかほかに温めるのには、フライパンがおすすめなのだとか。早速試してみます!

方法は簡単。まずはフライパンに油をひいて、冷めたピザを置き、ピザの具材にかからないように気をつけながら、大さじ2杯の水を注ぎます。

そのあとはフタをして、中火で2〜3分くらい温めます。

写真だと伝わらないかもしれませんが、ものすごく熱くて、おそるおそる持っています

できました! サクサクしっとり、ほかほかのピザが蘇りました。フライパンのサイズや形が、ピザと妙にフィットしていたのも、温めやすくてよかったです。なお、水の量や温める時間は、ピザの様子を見ながら調整してみるのがよさそうです。

食パンをフライパンで焼くと、外側はカリッ、内側はふんわりとした、理想の食感のトーストに仕上がると聞きました。……本当に?

オーブントースターで焼く場合との一番の違いは時間。フライパンの場合、中火で片面1分程度焼けば、こんがりとした色合いに仕上がります。

思いのほかあっという間に色づいていくので、焦げ付かないように様子を見つつ、火加減を調整しながらがよさそうです

食べてみると、表面のカリカリ具合がすごい! さくさくっとした音が耳に響きます。そして内側も、もちもちでしっとり。トースターが家にない人はもちろんのこと、トースターを持っている人にも、「たまにはフライパンで焼いてみるのもいいですよ」とおすすめしたくなる味わいです。キャンプの食事でも活用したい方法!

続いては、もうひとつパンに関連したチャレンジを。なんでもフライパンは、小麦粉から作ったパン生地を焼くこともできるのだとか。

お好みのパンのレシピにならって、材料を混ぜて発酵させて、生地をこねたら、オーブンではなく、フライパンに並べてみました。

片面15分くらいが目安。焼き時間はパンの色を見ながら調整するのが◎

フタをしてじっくり弱火で焼いていきます。

完成したパンの断面。内側までしっかり火が通って、ふかふかに仕上がっていました

パン作りにはオーブンやホームベーカリーが必要と思っていた心がアップデートされました。調べてみたところ、今回作ったようなシンプルな丸パン以外にも、さまざまなパンをフライパンで焼いている人がいるようす。次はどんなパンを焼いてみようか夢がふくらみます。

「ワンパンパスタ」という言葉を耳にする機会が増えました。ワンパンとは、フライパンひとつで作れること。パスタを茹でる工程、具材やソースを和える工程などを一貫してフライパンで行い、ほかの調理器具を使わずに完成させるのです。

間違いなく合理的な方法。そう思いながらも、まだやったことがありませんでした。

水を400mlほど注いだフライパンを温めて、しょうゆや白だしを入れたあと、パスタ1人前ときのこをイン。お水の量は様子を見ながら調整するのがおすすめ

パスタがフライパンにうまく入れられなさそうであれば、パキッと割って半分の長さにして入れてもOK。具材がぐんぐんと水分を吸い上げていく様子をほおおっと眺めていたら、あっという間に和風パスタが仕上がりました。

しょうゆや白だしを混ぜた水分を吸い込んでいるためか、追加の味付けなしでも、麺にしっかり味がありました

さらに、冷凍うどんでもワンパン調理が可能なのではと思い試してみることに。

冷蔵庫のあまり野菜を適当に刻み、その上に冷凍うどんを置き、しょうゆ、砂糖、お酢などの調味料を適当に入れ……
フタをして、全体に火が入るまで中火で温めます

ものの数分で完成。焼きうどんというよりも蒸しうどん、という様相になりました。忙しいけど、栄養はしっかり摂りたい。そんなときに気軽に試したい調理法です。

フライパンは揚げ物も可能というのは知っている人も多いのでは。今回使用しているサーモスKFH-026のフライパンも、ガス火であれば揚げ物調理が可能です。

フライパンで揚げることのメリットは少ない油で揚げられること。なかでも特に向いているのが、薄くて大きい食材の調理なのではないでしょうか。そんな仮説をもとにカツレツを作ってみます。

元々は仔牛の肉を使って作るものですが、今回は豚肉を使用。麺棒などで叩いて、薄くできるところまで薄くして……
パン粉、小麦粉、卵をまとわせて、油で揚げていきます。油は1センチくらい。火は弱火でじっくりと

出来上がりはこちら。両手くらいの大きさがあります。カリッとした食感がたまらないお肉は、フォークでそっと押すだけで簡単に刻めるくらいにやわらかい! 今日はちょっとごちそうを作りたいという日にもぴったりと感じる仕上がりです。

そのほかにもグラタンを作ったり、枝豆を蒸してみたりしてみました。

グラタンは、表面をこんがりさせることができないのが難点。でも、味はしっかりグラタンでした
枝豆は、旬の時期に購入した生のものを少々のお水とともにフライパンに入れ、フタをして蒸し焼きにするとたまらないのだそう。今は冬なので冷凍の枝豆で挑戦してみましたが、冷凍特有の水っぽさがやわらいで、ほくほくした味わいが楽しめました

フライパンでできることを今回は9種類検証してみましたが、きっとこれはほんの一部。アップルパイや茶碗蒸し、チーズケーキなどを作ることもできるそうです。フライパンとは、なんと寛大な調理器具なのでしょう。

オーブンがなくても、蒸し器がなくても、天ぷら鍋がなくても、作れるものはたくさんある! これからも強い気持ちで、フライパンで作れる料理のレパートリーをぐんぐん広げていきたいと思います。

フライパンにぴったりなフタもあれば、蒸し調理などにも対応できて楽しみ方は倍増! 今回は、折りたたみができるサーモスのKLD-001を使用しました

撮影・編集:ノオト

高橋 亜矢子

高橋 亜矢子

たかはし・あやこ

コンテンツメーカー・ノオトに勤めるライター/編集者。知らない土地やスーパーをうろうろすることと交通インフラが好き。よく使う調味料はお酢。

この記事をシェアする

Facebook X LINE

プラスサーモス おすすめの商品