フライパンでどこまで調理は広がる? 「炒める」以外の方法を試してみた
炒める以外にもさまざまな調理が楽しめるフライパン。オーブンがなくても、蒸し器がなくても、天ぷら鍋がなくても、フライパンがあれば、あらゆる調理法が可能になります。どんなことができるのか、実際に試してみました。
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料理を始めようと思ったとき、真っ先にそろえるといい調理器具はフライパンだと聞いたことがあります。なぜならフライパンは、炒める、焼く、蒸す、煮る、揚げる……などなど、さまざまな調理に幅広く対応できる万能選手だから。
だけど思い返してみると、そのポテンシャルに真っ向から向き合ってみたことがないかもしれません。ここらで一度、ちゃんと向き合ってみたい。……というわけで、さまざまな調理方法を検証してみました。
はじめに作ってみるのはプリン。カラメルやプリン液を作って型に流し込んだら、オーブンで焼く……というのが通常の流れですが、フライパンで蒸し焼きにしてもよいのだそう。
ちなみにプリン型がない場合には、耐熱の容器やお皿を使えば大丈夫とのこと。身近な道具の組み合わせで作れるスイーツなんですね。
ポイントは火加減。火が強すぎると、プリンに「す」と呼ばれる、ぶつぶつとした穴ができて、食感がざらついてしまうのです。
アルミホイルを剥がし、容器ごとプリンを揺らして、プリン液が固まっているのを確認します。あら熱を取ったら、冷蔵庫で冷やして完成です。
食べてみると……どうやら無事成功したようです。舌触りはなめらかで、弾力のあるプリンにしっかり仕上がっていました。オーブンがなくても、自宅でプリンは作れる。そう思うと感慨深い! 自分で作ると、お好みの固さに調整できるのもうれしいです。
続いては冷めたピザ。食べきれなかったり、持ち帰っているうちに冷めてしまったりすることはありませんか。そういったピザをほかほかに温めるのには、フライパンがおすすめなのだとか。早速試してみます!
方法は簡単。まずはフライパンに油をひいて、冷めたピザを置き、ピザの具材にかからないように気をつけながら、大さじ2杯の水を注ぎます。
そのあとはフタをして、中火で2〜3分くらい温めます。
できました! サクサクしっとり、ほかほかのピザが蘇りました。フライパンのサイズや形が、ピザと妙にフィットしていたのも、温めやすくてよかったです。なお、水の量や温める時間は、ピザの様子を見ながら調整してみるのがよさそうです。
食パンをフライパンで焼くと、外側はカリッ、内側はふんわりとした、理想の食感のトーストに仕上がると聞きました。……本当に?
オーブントースターで焼く場合との一番の違いは時間。フライパンの場合、中火で片面1分程度焼けば、こんがりとした色合いに仕上がります。
食べてみると、表面のカリカリ具合がすごい! さくさくっとした音が耳に響きます。そして内側も、もちもちでしっとり。トースターが家にない人はもちろんのこと、トースターを持っている人にも、「たまにはフライパンで焼いてみるのもいいですよ」とおすすめしたくなる味わいです。キャンプの食事でも活用したい方法!
続いては、もうひとつパンに関連したチャレンジを。なんでもフライパンは、小麦粉から作ったパン生地を焼くこともできるのだとか。
お好みのパンのレシピにならって、材料を混ぜて発酵させて、生地をこねたら、オーブンではなく、フライパンに並べてみました。
フタをしてじっくり弱火で焼いていきます。
パン作りにはオーブンやホームベーカリーが必要と思っていた心がアップデートされました。調べてみたところ、今回作ったようなシンプルな丸パン以外にも、さまざまなパンをフライパンで焼いている人がいるようす。次はどんなパンを焼いてみようか夢がふくらみます。
「ワンパンパスタ」という言葉を耳にする機会が増えました。ワンパンとは、フライパンひとつで作れること。パスタを茹でる工程、具材やソースを和える工程などを一貫してフライパンで行い、ほかの調理器具を使わずに完成させるのです。
間違いなく合理的な方法。そう思いながらも、まだやったことがありませんでした。
パスタがフライパンにうまく入れられなさそうであれば、パキッと割って半分の長さにして入れてもOK。具材がぐんぐんと水分を吸い上げていく様子をほおおっと眺めていたら、あっという間に和風パスタが仕上がりました。
さらに、冷凍うどんでもワンパン調理が可能なのではと思い試してみることに。
ものの数分で完成。焼きうどんというよりも蒸しうどん、という様相になりました。忙しいけど、栄養はしっかり摂りたい。そんなときに気軽に試したい調理法です。
フライパンは揚げ物も可能というのは知っている人も多いのでは。今回使用しているサーモスKFH-026のフライパンも、ガス火であれば揚げ物調理が可能です。
フライパンで揚げることのメリットは少ない油で揚げられること。なかでも特に向いているのが、薄くて大きい食材の調理なのではないでしょうか。そんな仮説をもとにカツレツを作ってみます。
出来上がりはこちら。両手くらいの大きさがあります。カリッとした食感がたまらないお肉は、フォークでそっと押すだけで簡単に刻めるくらいにやわらかい! 今日はちょっとごちそうを作りたいという日にもぴったりと感じる仕上がりです。
そのほかにもグラタンを作ったり、枝豆を蒸してみたりしてみました。
フライパンでできることを今回は9種類検証してみましたが、きっとこれはほんの一部。アップルパイや茶碗蒸し、チーズケーキなどを作ることもできるそうです。フライパンとは、なんと寛大な調理器具なのでしょう。
オーブンがなくても、蒸し器がなくても、天ぷら鍋がなくても、作れるものはたくさんある! これからも強い気持ちで、フライパンで作れる料理のレパートリーをぐんぐん広げていきたいと思います。
撮影・編集:ノオト
高橋 亜矢子
たかはし・あやこ
コンテンツメーカー・ノオトに勤めるライター/編集者。知らない土地やスーパーをうろうろすることと交通インフラが好き。よく使う調味料はお酢。
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