焼きおにぎりの新時代! ごはん同盟・しらいのりこさんの「おにぎりピカタ」
混ぜごはんに溶き卵をまとわせて焼く「おにぎりピカタ」。一口食べたらやみつきの新感覚の焼きおにぎりです。「おかか×クリームチーズ」「香菜×ちりめんじゃこ×ナンプラー」「チュモッパ風(韓国おにぎり)」の3種類のレシピを、料理家のごはん同盟・しらいのりこさんに教えていただきました。
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しらい のりこ
料理研究家。夫・ジュンイチさんとともに、ごはん好きの、ごはん好きによる、ごはん好きのための炊飯系フードユニット「ごはん同盟」として活動する。テレビや雑誌などでも活躍中。著書は『しらいのりこの絶品!ご飯のおとも101!』(NHK出版)、『ごきげんな晩酌 家飲みが楽しくなる日本酒のおつまみ65』(山と渓谷社)など多数。
Instagram:@shirainoriko
夜食や飲みの〆など、ふとした瞬間に無性に食べたくなる「焼きおにぎり」。直火やトースターではなく、フライパンで作れるのは風の噂で知っているけれど、それでもなんだか難しそう……。
そんなお悩みを、「簡単でおいしくて失敗のない料理といえば!」のごはん同盟・しらいのりこさんに持ちかけてみたら、「おにぎりピカタ」という次世代型の焼きおにぎりを提案してくれるそうで。
というわけで、さっそくキッチンスタジオも兼ねたご自宅へ。すると、「やっと自慢する時が来た!」と、出迎えてくれたのりこさんの目が輝きます。
うちはまさに「サーモス フライパン御殿」。サーモスのフライパンに出合ってから、もうぞっこんです。 16cmのフライパンから、取っ手が外せるタイプの20cmと26cm、それから玉子焼きフライパンまで取り揃えていて(にっこり)。
サーモスのフライパンの何がいいって、コーティングがしっかりしていて耐久性が高いところ。お世辞抜きで大好きなんですよ。
語り出したら止まらない、サーモスのフライパン愛。そんなのりこさんに、補助取っ手・注ぎ口付き、超深型タイプの「マルチパン(KFKシリーズ)」で作っていただくのが、「おにぎりピカタ」。
ピカタって、肉や魚に溶き卵を絡めて焼く、あのイタリア料理のこと!?
ふふっ。韓国の海苔巻き「キンパ」は余ったら次の日に卵にくぐらせて焼いて頂くそうなんですよね。だったら、混ぜごはんを卵にくぐらせて焼いたらいいんじゃないかってピンと来て。それで試作してみたら大正解。
これは流行るんじゃないかって、一人でソワソワしてます(笑)。
のりこさんがすでに流行の兆しを感じているという「おにぎりピカタ」。
今回教えてくれるのは、この3種類!
・【和風】おかか×クリームチーズ
・【エスニック風】香菜×ちりめんじゃこ×ナンプラー
・【韓国風】チュモッパ風(韓国おにぎり)
名前を聞いただけでもおいしい雰囲気が漂っていますが、一体なぜこの3種類に?
やっぱり方向性が違った方がいいじゃないですか。って、そんなに深く考えてない(笑)。
こうやって素直に白状すると、また記事に書かれちゃう!
迂闊(うかつ)なんだよ!
へへ。まぁ、卵は何でもおいしくしてしまうからOKってことで。
ジュンイチさんの的確なツッコミが効いたところで、のりこさん自慢の「おにぎりピカタ」3種類の作り方を教えていただきましょう。
どれも手順は同じで、ごはんに具材を混ぜて溶き卵をつけて焼くだけ! お醤油やお味噌をつけるオーソドックスな焼きおにぎりって、形が崩れやすかったり意外に難しいんですよね。
その点、この「おにぎりピカタ」は卵がつなぎ役をしてくれるので、その心配はご無用です。
- ごはん…150g
- かつお節…1/2pc(1g)
- しょうゆ…小さじ1
- クリームチーズ(個包装)…1個
1. ボウルにかつお節、しょうゆを入れてなじませる。
2. ごはんを入れてさっくりと混ぜ、クリームチーズをちぎりながら入れる。
3. 2等分して平たく丸める。
おにぎりは三角でもOKですが、俵型だとフライパンと接する焼き面が小さくなってしまうので気をつけてください。
- ごはん…150g
- ちりめんじゃこ…小さじ4(5g)
- 香菜の葉(みじん切り)…1/2本(約大さじ1)
- 白ごま…小さじ1/2
- ナンプラー…小さじ1/2
- 塩…少々
1. ごはんにちりめんじゃこ、白ごま、香菜の葉、ナンプラー、塩少々を加えてさっくりと混ぜる。
2. 2等分して平たく丸める。
- ごはん…120g
- 白菜キムチ…50g
- ツナ(油漬け)…1/2缶(35g)
- 万能ネギ(薄切り)…大さじ1、
- 韓国海苔…2枚
- ごま油…小さじ1/2
- マヨネーズ…小さじ1/2
1. ツナはキッチンペーパーに包んで油をのぞく。
2. 白菜キムチは水けをしっかりしぼり、みじん切りにする。
3. ごはんにツナ、キムチ、ごま油、マヨネーズ、万能ネギ、韓国海苔をちぎって混ぜ、2等分して平たく丸める。
1. フライパンに米油(またはサラダ油)大さじ1を入れて弱めの中火で熱し、おにぎりを溶き卵1個にくぐらせ並べる(溶き卵1個で6~8個分ほど焼ける)。
2. フタをして片面1分30秒焼いたらひっくり返し、またフタをしてさらに1分30秒焼いたら出来上がり。
香ばしい香りが漂うしらい家。高まる期待にワクワクしていると、「モグモグタイムですね」と、のりこさんが静かにテーブルにスタンバイ。今回もジュンイチさんと一緒に実食していただきましょう。
さぁさぁさぁ、今日のお味はいかがですか???
じゃ、私は一番のお気に入り、チュモッパ風をいただきます。(モグモグして)うん、うん、我ながら抜群の安定感です。
チュモッパはキムチ、ツナ、海苔という旨味たっぷりの具材に、さらにマヨネーズをつなぎにつかうという合わせ技。それを卵で焼いちゃうなんて……。おいしいしかないです……。
僕はおかか×クリームチーズをいただきます。こっちもおいしい。チーズが温かく溶け出してくるね。子どもから大人まで好きな味だと思う。
そうでしょ。おにぎりだけ握っておけば、ぱぱっと作れちゃうし、飲みの〆にもおすすめ。いやぁそれにしても「おにぎりピカタ」、おかげさまでいいコンテンツになりそう。
確かに。時間が経っても玉子が固くなりにくいし、これまでの焼きおにぎりとは一線を画すかもね。
可能性を感じるなぁ。新しい時代の到来も感じる。
え、まさか新たな時代を作った?
…………(コクリ)。
「試食して行きますよね?」という、のりこさんのありがたいお誘いにお応えし、いざいただいてみると……。なんということでしょう。焼き面はしっとりおいしく、そして中にもしっかり卵液が染み込んでいて、お米一粒一粒がホロホロとほどけていくではありませんか!
さらに、3種類それぞれで印象がガラリと変わるので、食べ比べるのも楽しい。これは、のりこさんの思惑通り、流行ってしまうかも……!
いつもに増して、のりこさんが満足げな表情を見せた「おにぎりピカタ」。ぜひお試しを。
撮影:森本絢
編集:ノオト
船橋 麻貴
ふなばし・まき
雑誌やWEB、広告などで執筆中。生涯の目標に締切厳守を掲げるものの、いろいろ遅れがちな人生。特技は暴飲暴食と思いつき旅。焼き菓子&パン1年生。
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