料理家・弁当コンサルタント 野上優佳子さんと、一般社団法人フードサルベージ 代表理事 平井巧(さとし)さんをお招きして2018年10月30日(火)に、『第1回 サーモス スープジャーで冬のあったかお弁当教室』を開催。昨今話題となっている「フードロス」に着目し、家庭で余りがちな食材を使ったスープジャーレシピを教えていただきました。さらに平井巧さんによる「明日からすぐできるフードロス講座」も行われ、約20名の女性が参加しました。
7割以上の女性が気にかけている「家庭でのフードロス」
「家庭でのフードロス」を気にしたことがあると答えた人は全体で76.3%。その中でも80%以上の女性が「もったいないという罪悪感」が理由であると答えており、多くの人が食材を捨てることに抵抗があることが分かりました。
- Q.「気にする」その理由とは?
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もったいないという罪悪感 83.2% ゴミが増える 37.2% 節約 31.1% 環境を配慮して 22.3%
この時期、使いきれずに捨ててしまう食材のNO.1は野菜でした。2位は調味料で、冷蔵庫で眠っているナンプラーなどのエスニックな調味料などが使いきれないようです。
- Q.使い切れずに捨ててしまう食材は何ですか?
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1位 野菜 2位 調味料 3位 果物 4位 乾物類 5位 加工品
- Q.この時期、使い切れずに捨ててしまうことの多い野菜は何ですか?
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1位 だいこん 2位 キャベツ 3位 もやし 4位 きゅうり 5位 にんじん
調査期間:2018年10月20日~21日
調査方法:インターネット調査
調査対象:全国20~50代 既婚女性 週に1回以上弁当を作っている
有効回答数:857名(各年代210名以上)
使い切れなかった食材もスープジャーにお任せ!
スープジャーで気になる“フードロス”を解決
当日のイベントでは多くの女性が気にかけるフードロスをスープジャーで一気に解決してみよう、ということで料理家・弁当コンサルタント 野上優佳子さんにスープジャーを使った「フードロス解消レシピ」を教えていただきました。
当日は「白菜と豚肉の春雨のうま煮」を実際にみなさんで調理して美味しくいただきました。さっと煮込んでスープジャーに入れるだけなので、調理はとても簡単。
参加者からは「スープジャーには温かい味噌汁などを入れて持ち運んでいましたが、煮込む工程をランチまでの間に果たしてくれることが分かり、使い方の幅が広がりました。」「自分が用事で出かける時、スープジャーに料理したおかずを入れて置いておけば、自宅で留守番している家族に温かい料理が提供できると思いました。」などの声が上がり、温かい料理を手軽に美味しく食べられることを実感した様子が伺えました。
気になる生ゴミの量は……参加者の皆さんと一緒に調理した「白菜と豚肉の春雨うま煮」と試食用に準備した「エスニックおでん」と「和風ポトフ」計3品を参加人数調理して出た生ごみはわずかにこれだけ。参加者からもこれには驚きの声があがっていました。
普段の買い物や調理のちょっとした意識で防げる“フードロス”
イベントの後半ではフードサルベージ平井さんと野上さんで、「明日からできるフードロス講座」についてのトークセッションが行われました。どのような出来事がフードロスにつながり、どうすれば具体的にフードロスが減るのか。参加者もお二人のトークに真剣に耳を傾けていました。
平井さんは冒頭で混同されがちな「食品ロス」と「フードロス」の違いについて触れました。「食品ロス」は農林水産省の定義で「まだ食べられるのに廃棄される食品」のこと。一方、国連食糧農業機関(FAO)がとりまとめた定義では、「Food loss」は、サプライチェーンの各段階における食品の量的減少のことで、「Food waste」は、サプライチェーンの最終段階(小売りおよび最終的な消費)で出る食品の損失を意味することから、「食品ロス」は「Food waste」に近い意味合いで使用されています。
また、食材が書かれたカードを参加したグループごとに数枚配り、それで何が作れるかメニューを考える時間を設け、改めて買い物に出かけなくても自宅にある食材だけで料理は作れることを伝えました。
よくありがちな食品ロスにつながる身近な出来事
- 特売だったのでまとめ買いしたけど、食べきれずに捨てた。
- 出来上がりの量を意識せずに作り、余らせてしまった。
- 使いかけの野菜を後で使おうと置いておいたら、つい忘れてしまい、乾燥したり、黒ずんでしまった。
- お歳暮などのいただいた食材が好みではなかった。
- 初めて訪れる飲食店。注文したメニューの量が多すぎて残してしまった。
- 仕事で忙しく料理する時間がなくて、食材をだめにしてまった。
家庭での食品ロスを減らすコツ
- 買い物の前に家にあるものをチェックする。
- 必要な分を買う。
- 食材を上手につかう。
- 作りすぎに注意する。
- 食材をさまざまな料理に活用し、料理を楽しむ。
- 消費期限と賞味期限を理解する。
- ローリングストック法(普段から少し多めに食材、加工品を買い、使った分だけ買い足していくことで常に一定量の食料を家に備蓄しておく方法)に取り組む。
ネガティブなイメージになりがちなフードロスも
食を楽しむ気持ちを持ち続けることでフードロス解消につながります
フードロスというテーマで話をすると、「食べ物を無駄にしてはいけない!」という気持ちばかりが先行しがちですが、正論ばかりを追い求めるのはNG。「『このメニューを作ろう!』と思ったものの、冷蔵庫に材料がないことはよくあること。他の食材で代用できるものがあります。様々な発想力を持って料理をすることで、フードロスは自然に減りますよ。」と語る平井さん。野上さんからは「凝った料理を作ろう!と思いがちですが、実はシンプルに料理することが時短、手間短、さらにはフードロスにもつながります」と、笑顔で話してくださいました。お二人の話で共通していたのが“料理を楽しむ”ということ。食を楽しむ気持ちを忘れずにキッチンに向かうことが何よりも大切であるということを教えてくれました。