第4回 スープジャーで冬のあったかお弁当教室を開催
『食材使い切り!!スープジャーを活用したフードロス メニュー』を伝授
スープジャーで冬のあったかお弁当教室の最終回となる第4回目は、「余った食材・加工品・調味料を使った料理でスッキリ綺麗に!」をテーマに2018年12月14日(金)に開催されました。1回目と同様に、料理家・弁当コンサルタントの野上優佳子さんと、一般社団法人フードサルベージ代表理事の平井巧(さとし)さんをお招きして、好評だった第1回のテーマ「家庭でのフードロス」をベースに、余りがちな野菜や調味料、缶詰を使ったレシピを教えていただきました。
献立を考えるのは発想力と潔さが大事
何かと忙しい朝。朝食は食べたいけれど作るのが面倒と思っている方が大勢いらっしゃるはずですが、そこは「発想力をフルに活用することと、“まぁこんな感じ”という潔さを持つことで、面倒くささから解放されます」と野上先生は話します。イベントでは以下の6つの食材を使ってどんな朝食ができるのか教えていただきました。
- 主食(糖質)ごはん
- 主菜(タンパク質)ベーコン・卵・豆腐
- 副菜(その他栄養)キャベツ・ネギ
朝食なので、寝ている間に冷めた体を温める、温かいメニューを入れるとベターです。キャベツ・ネギは生でも食べられるので調理が簡単です。
① ごはん・豆腐とねぎの味噌汁、ベーコンエッグ・千切りキャベツさらに、発想をフル回転させると、こんなにバリエーションが広がります。
- ③巣ごもりキャベツ丼+豆腐味噌汁
- ④豆腐とねぎの卵とじ丼+キャベツ卵スープ
- ⑤キャベツベーコン卵炒飯+豆腐スープ
「③はご飯の上に切ったキャベツとベーコンをのせ卵をおとして、ふわっとラップをかけて電子レンジでチンすれば、調理器具を使わずに済みます」と、調理後の片付けも意識した時短テクニックも登場。
例えば、豆腐がひとつなくなってもバリエーションの豊富さは変わりません。
5つの食材でできる朝食を考えます。
- 主食(糖質)ごはん
- 主菜(タンパク質)ベーコン・卵
- 副菜(その他栄養)キャベツ・ネギ
- ベーコンエッグプレート
- キャベツの巣ごもり丼
味噌汁やスープがなくても体を温めるお茶を付ければ立派な食事に!
他にもこんなにバリエーション豊富なメニューが叶います。
- ⑥キャベツベーコン炒飯+卵ネギスープ
- ⑦おにぎり+具沢山の野菜スープ
- ⑧ねぎの卵とじ丼+キャベツベーコン入りスープ
主食のご飯、主菜のベーコン・卵・豆腐、副菜のキャベツ・ネギがあるだけ、8つのメニューが完成します。
「例えば、“白ワイン 大さじ1”とレシピに書いてあると、うちにはないからもう作れないと、あきらめる方もいるかもしれませんが、白ワインの変わりに日本酒でも焼酎でもいいかっていう潔さがあればメニューのバリエーションが広がります。この材料がないと作れないとつまずいてしまいがちですが、発想力豊かに“まぁこんな感じ”という潔さが大切です。お弁当も同じで、スープジャーを使ってレシピを考える時も、同じような連想ゲームを適用すればメニューを考える時に悩む時間が減っていきます」と話していただきました。
準備も簡単でエコで時短になる簡単フードロスレシピを実践
高い保温力があるスープジャーは、余熱で食材に熱を通す保温調理ができるので、皮つき野菜もさっと煮込んでスープジャーに入れるだけでお昼には食べ頃に仕上がります。野菜の皮をむかないので、下ごしらえの切る工程も楽になり、生ゴミが減るのでフードロスにもつながります。しかも、野菜の皮には栄養が多く含まれているので、スープジャーのレシピひとつで栄養バランスの良い食事をとることができます。「食材を無駄にせず、料理の手間のロスを減らすことが、実はフードロスの解決にもつながるのです。」と、参加者へエールを送りながら、準備も簡単でエコで時短になる簡単フードロスレシピ「鮭缶の石狩鍋風スープ」を参加者全員で調理しました。
鮭缶は面倒なダシとりが不要で手軽にタンパク質がとれる優れもの
毎日ちゃんとしたお弁当を作らなければいけないと、プレッシャーを感じている参加者に対して、肩の力を抜いて、家にある食材をうまく活用することの大切さについて野上先生にお話いただきました。 「スープだけで物足りないと感じたら、春雨を入れるのがおすすめです。具材を入れた鍋に春雨を加えたらすぐにスープジャーに移すだけなので調理時間もかからないし、春雨はスープジャーの中でも比較的クタクタになりにくいです」と話してくださいました。
参加した皆さんは、「煮込む工程がはぶけて、持ち運ぶ間にメニューが完成するならどんどん使いたい」「塾に通う息子に栄養たっぷりの温かいものが食べさせられそうです」「魚をスープジャーに入れる発想がなかったけれど、試食してとっても美味しかった。生臭くないのもいいですね」「サイズ感が分からず一番大きいサイズを購入しましたが女性は0.3Lで十分ですね。旦那に0.5L を渡そうと思います」などの声があがりました。
試食の際には、野上先生おすすめのレシピ、野菜を皮付きのまま調理した「和風ポトフ」、しっかり味がしみ込んだ「白菜と豚肉の春雨うま煮」なども一緒に召し上がっていただきました。
フードサルベージ代表理事の平井さんと野上先生が
フードロスについてトークセッション
無駄な買い物を減らせる「食材の置き換え」のコツや、既存のレシピに頼らずに余りがちな食材を自由に組み合わせてレシピを生み出すフードロスレシピについて、トークセッションが行われました。
「『何を捨てているか把握する、なぜ捨てているかを考える』ことが、家庭からのフードロスを防ぐコツです」と野上先生がアドバイス。家庭であまりがちな食品として、お歳暮などでいただくそうめん、なかなか食べきれないおもちなどが多いことをあげ、「そうめんはゆでる前にバリバリと砕いてからリゾットのようにする食べ方もあります。食べ物を捨ててはならないとプレッシャーを感じ罪悪感を抱くよりも、食材をいつもと違う調理方法で活用して、食を自由に楽しんでほしい」と平井さんは話してくださいました。
食材が書かれた複数のカードを元に家で何が作れるかを考える
1回目のお弁当教室でも好評だったワークショップを実施。参加グループに食材が書かれた5枚のカードを配布し、その食材と自宅にある調味料のみで料理を作るとすれば何ができあがるかグループで1~2品ずつ考えました。レシピを考える時間も短くということで、考案時間はたったの5分。買い物に行かなくても家にある食材だけで料理は作れることを参加者に伝えました。特に難しい食材「うめぼし」と「ししゃも」のカードが交っていたグループに、完成したレシピを発表していただきました。
グループ①
使う食材:うめぼし、えのき、ちくわ、アスパラ、鶏肉メニュー名:むしどりの甘酸っぱあんかけ
作り方:鶏肉は蒸してスライス。えのき、ちくわ、アスパラは適当にきざんで、うめぼしをたたいて梅肉を作って、蒸した鶏肉の上にのせる。
「適当にきざむということがものすごくいいと思います。えのき、ちくわ、アスパラはほかの食材に代用できますのでこれじゃなきゃだめ!というわけでもありませんので汎用性が高いレシピです」と平井先生は高評価でした。
グループ②
使う食材:ししゃも、たまねぎ、ホールトマト缶、豚肉、大根メニュー名:ししゃもフライ 具だくさんトマトソース
作り方:ししゃもはフライに、たまねぎ、豚肉、大根はミートソースのようにしてししゃもにソースをかける。
「ししゃもは小魚だからオイルサーディンをイメージすると、トマトと合うと簡単に想像できますよね。そうやって連想ゲームをしていくとどんどんメニューの幅も広がります」と野上先生はアレンジレシピの考え方を披露してくださいました。
最初は難易度が高そうと感じていた参加者ですが、様々な料理を考えるきっかけとなり、意外とありものだけでなんとかなる、と実感したようでした。
発想を転換することでグッとメニューの幅が広がる!
どの家庭でも作っている豚肉の生姜焼き。野上先生は、このメニューは、調味料や食材を変えるだけでバリエーションが増え ると話します。「豚肉の生姜焼きは醤油で作りますが、味噌でも塩でも作れます。だって、しょうゆと味噌はもともとは大豆だから。さらに、しょうがでおいしいってことは、しょうがの代わりににんにくになっても、にんにくがネギになっても同じ薬味だから合う。ネギが合うならたまねきのみじん切りでも、大葉でもきっとおいしい。こんなざっくりした考え方ができると料理が楽になります。」続けて、「味付けは、冷蔵庫で眠りがちなナンプラー、豆板醤などもプラスできるのでバリエーションが増えます」とアドバイスしてくださいました。
食材の代用は意外に簡単にできる!
発想の転換方法として、キャベツの仲間にはカリフラワーとブロッコリーがある、と話してくださった野上先生。「ブロッコリーの茎はキャベツの芯がすごく太くなったと思えばいいんです。外側の厚い皮をむくと中はすごく柔らかい。あっさりとしたじゃがいもみたいなので食材として十分使えます」とアドバイス。
野菜の代用について平井先生は、「スーパーに並んでいる青もの野菜はほとんどアブラナ科。同じアブラナ科だと分かれば、 代用も簡単です。キャベツのかわりに白菜を使う事に違和感を覚えなくなると思います」と話してくださいました。
料理をすることを楽しむためには、完璧を目指さないこと
野上先生は「レシピ通りに作ろうとせずに、家にある調味料や食材を代用しても十分おいしいものが作れます。お弁当が空っぽになって戻ってくることは幸福感につながりますよね。豪華な食事をつくることよりも、『食べること』をゴールにしてお弁当作りに励んでください」と参加者にアドバイスしました。平井さんは「ぜひ月に1回でいいので、スマホでレシピを検索せずに、家族でアイデアを出し合って料理をする日を作ると、料理を作る楽しみが広がります。毎日、120点の料理を作る必要はないと思いますので、家にあまっている食材の活用を楽しくチャレンジしてもらいたい」とコメントしました。